過去ログ - ちなつ「blueはどこへ消えた?」
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2014/08/19(火) 00:23:10.48 ID:6oJFiQZgo
先生「はいここ、吉川さん」
当てられたことに気付くまで少し時間がかかって、突然気付いた時の感覚は、目覚まし時計をふと見たら起きる予定の時間をものすごくオーバーしていた時の感覚と似ている。
ちなつ「きゃっ、あ、はい」
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2014/08/19(火) 00:24:14.15 ID:6oJFiQZgo
先生に注意されるし、そう言えば今朝は寝坊しかけたし、災難続きの日だなあ。
ちくしょーと口の中でぼやきながら、私は英和辞典を開く。
『blue』……えーとなになに、青。これはいいわね――。
あった。憂鬱な、って意味。
ふーんと思って、さっさと私は英和辞典を閉じる。
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2014/08/19(火) 00:25:34.78 ID:6oJFiQZgo
ちなつ「ちょ、京子先輩!」
京子「ごく、ごく……いやあ、美味いねえ、結衣の唾液の混じった麦茶は」
結衣「そんな風に言うな」
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2014/08/19(火) 00:27:50.19 ID:6oJFiQZgo
おしゃべりをしている間にどんどんその太陽の高度は落ちてきて、心なしか寂しさを覚える。
なぜだかわからなかった。
涼しくなるのに。
そして十数分もすると、夕方の日の光が部室に差し込んできた。
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2014/08/19(火) 00:29:53.85 ID:6oJFiQZgo
あかりちゃんの家では既にあかねさんが凝った料理を作ってくれていた。
ちなつ「あの、ありがとうございます」
あかね「いえいえ、それよりも、いつもあかりと仲良くしてくれてありがとうね」
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2014/08/19(火) 00:32:22.39 ID:6oJFiQZgo
あかり「で、どこまで進んだの?」
あかりちゃんは目をくりくりさせて問いかけてくる。私はあかりちゃんから目を逸らしたくなった。
ちなつ「……ごめんあかりちゃん! まだ結衣先輩に、好きだってことも伝えられないの……」
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2014/08/19(火) 00:36:34.79 ID:6oJFiQZgo
自分の問題だ。
あかりちゃんに心配してもらうようなことじゃない。
それを分かっていながら、私は一か月前、あかりちゃんに結衣先輩への想いを打ち明けた。
相談したところで何の解決にもならないし、いらない心配や迷惑をあかりちゃんにかけてしまうのに。
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2014/08/19(火) 00:38:44.31 ID:6oJFiQZgo
あかりちゃんの目がきらりと輝く。
あかり「うん、頑張ってねっ! でも焦っちゃダメだよぉ、無理だと思ったら、やめた方がいいよぉ。別に一回きりしか機会がない訳じゃないんだから」
私は頷きを返すことぐらいしか出来なくて――気付けばテーブルに涙を落していた。
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2014/08/19(火) 00:40:38.46 ID:6oJFiQZgo
家にはあらかじめあかりちゃんの家で晩ご飯を食べてくると連絡を入れてあった。
私が家に入りリビングに行くと、お姉ちゃんはもうお風呂に入っていた。
ともこ「お帰り、ちなつ。遅かったわね」
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2014/08/19(火) 00:42:09.47 ID:6oJFiQZgo
ともこ「……それは」
ちなつ「友達としての好き、って意味だよ、もしかして、恋愛対象だとでも思ってるの?」
ともこ「……」
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2014/08/19(火) 00:45:32.16 ID:6oJFiQZgo
ちなつ「お姉ちゃんも、あかねさんのこと……」
お姉ちゃんは観念したような口調で、
ともこ「そうね。私もあかねちゃんのことが好き。恋愛対象として。あかねちゃんのことを考えてたら、時折胸が締め付けられるように痛むの」
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