過去ログ - 咲「愛を失くした日」爽「愛が芽生えた日」
1- 20
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 00:58:30.29 ID:1cIwfeRo0
きっともうその人物は現れて一緒にどこかへと去っただろう。

洗ったばかりの新しいタオルを棚から取り出して浴室にかける。

濡れて体に張り付く衣服を脱ごうとして、手を止めた。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 01:00:59.44 ID:1cIwfeRo0
我ながら馬鹿なことをしていると思いながらも、雨の中広場へと出る階段を急いで駆け上る。

赤の他人にしか過ぎないのに、なぜこんなに急いでいるのか自分でも理解できないまま。

そもそも居るかどうかも分からないというのに。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 01:03:47.97 ID:1cIwfeRo0
きらきらと光る水滴を跳ね返しながら、顔を上に向けている艶やかな姿に息を呑んで立ち尽くす。

天を向いているせいで彼女の表情は見えない。

驚愕が抜け切らないまま、爽はゆっくりと彼女の方へ足を進める。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 01:07:00.20 ID:1cIwfeRo0
あと数歩なのに。

彼女をいつまでも冷たい水の中に浸からせておくべきではないと頭では分かっているのに。

身に光を浴びて、ただ水に打たれて立ち尽くす彼女に声すらかけられないで立ち尽くす。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 01:09:58.04 ID:1cIwfeRo0
甘い表情を浮かべた彼女は瞬きもせず。

瞳に自分を映したまま掠れた声で笑った後、

ゆらりと揺れて倒れそうになるのに、慌てて手を伸ばして支えた。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 01:14:21.08 ID:1cIwfeRo0
ほの暗い灯に照らされて眠る表情は、

酷く苦しそうだった当初に比べると幾分か穏やかには見えるが

それでもまだ呼吸は荒く、白い顔には赤が交じっている。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 01:16:58.73 ID:1cIwfeRo0
早く彼女を楽にさせようと焦っていたせいで自分のことは後回しにしていたのだと苦笑する。

今だ呼吸の荒い彼女が気がかりだったが、

目を覚ましそうになかったので部屋を出て浴室へと足を向けた。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 01:20:16.23 ID:1cIwfeRo0
自分でも説明の出来ない衝動に任せて彼女を連れてきてしまったが、

思ったよりやっかいかもしれない。

今さらのように自分の考えなしの行動を後悔する。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 01:23:14.80 ID:1cIwfeRo0
そろそろ目が覚めるかもしれないと思いながら様子を見に寝室へと近づくと、

中から苦しげな呼吸と共に掠れた声が微かに聞こえてきて慌ててドアを開けた。

彼女が眠るベッドに近寄り、火照った顔を覗き込むとまだ瞳は閉じられていて、
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 01:27:58.76 ID:1cIwfeRo0
ふるりと瞼を一回振るわせた後、其れをゆるりと解いて

彼女は瞳を薄暗い虚空に漂わせ始めた。

夢現のような表情でぽっかりと開いた双眸を、
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/20(水) 01:31:22.86 ID:1cIwfeRo0
甘い笑みでにっこりと笑って口を尖らす様を見て、胸の痛みが増す。

咲「…遅いです。どれだけ待ったと思ってるんですか?」

熱に浮かされた表情のまま拗ねるように甘える姿に、気づけば自然と口が動いていた。
以下略



178Res/77.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice