過去ログ - 咲「愛を失くした日」爽「愛が芽生えた日」
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/06(土) 01:04:18.07 ID:e+Py3xHv0
止まない雨音が耳を痛くする。

そんな日は決まって、くしゃっとした顔を見せながら笑う爽の処へ行った。

あの人と顔立ちも背格好も髪の色も口調も、どこも全然似てなんかいないのに。

彼女がふと見せる仕種は、嫌になるくらいあの人に似通ったものだった。

キスのときのクセも、彼女には言ってないけれど耳朶をしきりに触りたがるところも、

抱きしめるときには決まって頬に口づけを落とす仕種も。

何もかも嫌になるくらいあの人と似ていた。

けれど今、舌の根元を甘く噛む綺麗な白い歯も、左耳を触る綺麗なも、

自分の視界を被さるように落ちてくる髪も、その先を辿るように思い浮かぶ姿は爽だった。

同じ仕種、同じクセ。

けれどすぐに脳裏に浮かぶのはあの人ではなく、彼女。


本当はとっくに答えは出てたのに、

心の奥で怖がる自分が居たから口には出せなかった。

だって永遠なんて何処にも無かったから。

変わらないモノなんて、心なんて、何処にも無いんだと。

あの日、あの人が無理やり自分にそう教えてくれたから。

でも本当は、もう一度永遠を信じてみたかった。

そして彼女の側ならそれが叶うかもしれないと思えたから。


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