過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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296: ◆WHzNz9zb1A[sage saga]
2015/12/11(金) 05:01:19.56 ID:MTcjzCmDo

 振り上げられたバイオバンブー製の銃床が、決断的に振り下ろされる。
 少女は避けない。むしろ、待ち望んでいたもののように少し顎を上げさえした。
 澱んだ瞳がゆっくりとまぶたの中へ消えていく。
 これが救いだとでも、いうかのように。
 もういいと、言い聞かせるように。


 ――だが、それは届かなかった!


「Wasshoi!」

「グワーッ!?」

「ワッザ?!」


 少女の頭上、寄りかかる壁から突然発せられる轟音。シャウト。
 彼女を守るように一直線の軌道で突き出たそれは、碧色の光をまとう拳であった。
 迫る銃床を弾き飛ばし、驚く少女の頭に優しく置かれたそれは、暗闇の中でも雄々しくその輝きを絶やさない。
 身構える二人のケンペイの前で、壁は本来の役割……隠し扉として、その役割を果たす。
 
 開かれた先、夕暮れの紅い光とともに現れたのは――ケンペイ!
 国防色の軍装、長い赤毛に碧眼、顔を覆うメンポには【憲】【兵】の二文字が燃えている!


マリダ「ドーモ、憲兵隊マリダ・キカンのマリダ中尉です」

 
 堂々としたアイサツが、風とともに通路へカラテを満たした!
 法の守護者のエントリーだ!



叢雲「ねえ……あんた、出番取られてない……?」

グラハム「言うな叢雲……言うな」


――――

あきつ丸「ドーモ、同じくあきつ丸です」


Bダーガ「ドーモ、マリダ=サン。あきつ丸=サン。憲兵隊【イタイノハキノセイ】のブルダーガです」

Vパッラ「ドーモ、同じくヴェルデパッラです」


 二人のケンペイは、構えていた武器を下ろし両手を合わせ一礼した。
 先程まで威圧だけで射殺せそうな殺意を発していたにも関わらず、奇妙な光景だ。
 叢雲曰く、彼らはこの【アイサツ】という作法を神聖視しているのだという。
 だがその眼だけは、絶えずこちら側の脱走艦とマリダ中尉に向けられていた。


Vパッラ「そいつを渡してもらおうかマリダ=サン、そりゃこっち側の艦娘だ」

マリダ「断る。この鎮守府は我らの管轄下にあり、この艦娘は我らが庇護すべき対象だ」

マリダ「どうしても欲しいというのであれば正式に手続きを踏み書類を提示してもらおうか」

Bダーガ「ねえマリダ=サン……それが出来るんなら最初っからやってるわけ、分かる?」

Bダーガ「第一そいつも、あんたからしたら軍法に背いた脱走艦……庇い立てするような義理もないんじゃなくて?」

マリダ「……」

グラハム「中尉……」


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