45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 15:14:52.98 ID:ZhA2i8PA0
「梨奈の目を覚ましてやんないと……」
彼女はぼそりと呟いて、次に私の鳩尾を殴ってきた。
「ぐッ……」
意識が一瞬飛びかける。
「……梨奈にはもう近づきませんって、誓いなよ」
「……げほッ」
「誓えって……言ってんの! 聞こえないわけ!?」
なぜ、ここまで梨奈という女子に執着することができるのだろうか。
厚子という人間は、梨奈がいなければ死んでしまうとでもいうのか。
鳩尾からせり上がってくる吐き気を抑えつつ、私は息を整える。
彼女の歯ぎしりが、頭上で聞こえた。
梨奈にも同じようにしていたのだろうか。
暴力で押さえつけるような真似を。
そこまで依存させたのは梨奈なのかもしれない。
「梨奈さんから、伝言を言い忘れてました」
厚子の手がピタリと止まる。
「良い人見つけなよ、ということです」
「……ッうぁ……ぅ……」
息苦しさが消える。
サンドバックから解放されて、私は泣き崩れる厚子を見下ろす。
早く戻らないと。先生が待っている。
「それでは、さようなら」
口の端を舐めると染みた。
382Res/247.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。