16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/24(日) 15:27:28.14 ID:QnWv/swg0
僕は中学校にも高校にも行かずに山に登っていてね、親にも愛想をつかされちゃった。
でも一応は息子だと思ってくれているのか生活にかかるお金だけは出してくれたけどね。
本当に感謝してる。恩返しはできそうもないけど。
居場所がなくなった僕はいっそう山に足を運んだ。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/24(日) 15:28:15.74 ID:QnWv/swg0
それでこれはつい最近のできごとなんだけどね。
僕の趣味が登山だってのはさっき話したとおりでさ、
今回は少し遠出して北の方の山に挑戦することにしたんだ。
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2014/08/24(日) 15:29:29.05 ID:QnWv/swg0
天気予報が外れてその日は雨がぱらついていた。
本当ならそこでやめにするべきだったんだろうけど、せっかく遠出してきたんだからっていう気持ちになっちゃったんだよね。
登山経験ならそれなりにあるから大丈夫なんていうのもあったと思う、まあ驕りだよね。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/24(日) 15:30:58.91 ID:QnWv/swg0
登山道の先にすでに登っている集団がみえたからためらうことなく登り始めたよ。
まあ失敗だったんだけどね。
後でわかったんだけどその集団っていうのが筋金入りの素人集団だったんだ。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/24(日) 15:32:03.81 ID:QnWv/swg0
僕はこの人達がこの山に登り慣れている集団で後ろについて行けばなんとかなるだろう、なんてことを勝手に考えていたんだ。
期待を裏切られた僕の顔の色も彼らのデニムのような色になっていただろうね。
僕はそれを見なかったことにしてすっと追い抜いた。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/24(日) 15:33:22.40 ID:QnWv/swg0
自分の股間が光るようになったこともそうだけど本当に僕は運がないと思う。
なんで僕なんだろうって何度も考えた。
たぶん前世の僕は独裁者か大量殺人をしでかした犯罪者だったんだろうね。
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/24(日) 15:34:23.66 ID:QnWv/swg0
それでもとの話に戻るけど、
山を登るごとに雨脚は強まってきてほんの先を見るのさえかなわなくなってきたんだ。
かといって雨宿り出来そうな場所は見つからないし、山小屋だってずっと先だった。
だから休めるところが見つかるまで僕は登ることにしたんだよね。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/24(日) 15:35:24.14 ID:QnWv/swg0
遠くから地鳴りが聞こえてきて山の上から何かがこっちに向かってくるのが見えた。
やばいと思った時には遅かった。
濁流が轟音を立てながら僕を飲み込んでそのまま下界に押し戻してくる。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/24(日) 15:36:30.14 ID:QnWv/swg0
それからどれだけの時間がたったのかはわからないけど、全身の痛みで目を覚ました僕の目に飛び込んできたのは満天の星空だった。
あんまり綺麗だったものだからみとれているととなりから話しかけられた。
何人かの声がする。
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/24(日) 15:37:18.02 ID:QnWv/swg0
遭難したんだね、と僕が言うと一人が嬉しそうに
「そうなんです」
と返してくるから他のジーパンたちに叩かれていた。
僕も叩いておいた。
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/24(日) 15:38:28.04 ID:QnWv/swg0
携帯なんかは全部水にやられてしまって通信の手立てはなし、僕の自慢の装備たちが入ったパックはどこかに流されてしまっていたらしかった。
これにはまいったね。
恐怖は水位を増していって僕らの喉元まで手を伸ばしてきた。
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