22:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/25(月) 23:20:03.78 ID:HDd5UF4lO
気分が何か落ち着かず、俺は不機嫌そうな声を出していた。
「私をさらったのは親父の仲間だった男だと、そうあの男から聞きました」
「そうか……」
「五代目なら知っているんじゃありませんか?
誰が私を売り飛ばしたのか。
あの男は名前までは言わなかったんですよ」
「そんなこと知ってどうするんだ」
「ただの好奇心ですよ。
なにもする気はありません」
しばらく沈黙が流れたのち、五代目は静かに言った。
「悪いな。私には分からない」
それは機密事項だった、と五代目は言った。
なら調べて下さい、と俺は返した。
どうして俺は、こんなに苛立っているのだろう。
「調べようもないんだ。
当時の資料が見当たらなくてな」
俺は頭を下げて部屋を出ようとした。
そんな俺を、五代目の声が追いかける。
「アイツの書いた本は、木の葉と丑三つ隠れの人身売買を暴露した物だった。
木の葉の里でも、ましてや他里で出版されていい本じゃない。
本の内容からしても、アイツはお前の味方じゃないはずだ」
分かってますよ、とだけ答えて、執務室を後にした。
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