34:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/25(月) 23:42:01.51 ID:HDd5UF4lO
「カカシさん。牢にお戻り下さい」
温度のない声が、廊下に響く。
「頼むから見逃してくれ」
「できません」
俺は仕方なく、両手を上にあげた。
暗部は俺のポーチを探った。
「……書類はどこへ!」
「俺は知らないね」
雷遁影分身を解くと、暗部たちは雷に包まれた。
これで分身を囲んでいた廊下の暗部は、しばらく足止めできるだろう。
だが、俺の目の前の暗部もなかなか手強そうだ。
「なんでそう、しつこいかね。
俺なんか逃げ出したって支障はないでしょ」
「そんなことはありませんよ」
アナタは写輪眼を持っていますからね、と暗部は素っ気ない声で言った。
写輪眼のカカシと、自分で名乗った訳ではない。
だが、俺はオビトの代わりに写輪眼を肩書きのように背負い続けるのだろう。
雷切で突破しようと印を組むため腕をあげた。
しかし、いつの間にか後ろにいた暗部が、俺を羽交い締めにした。
「はなせ!」
派手に暴れる俺を縛りあげたのは、根の忍者だった。
「なんのつもりだ。なぜここに根の者がいる」
「ダンゾウ様がこの者に用があるらしい。
火影様にも許可はもらっている」
「しかし……それならば、仕方ない」
暗部達は、縛られたのが俺だと騙されてくれたらしい。
暗部が消えるのを待って、俺はまた影分身の術を解いた。
縄だけを残して、しばられていた俺の姿は消えた。
「さて、行くか」
俺は、根の姿に変化したまま走り出した。
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