67:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:47:52.95 ID:57lCD6A/O
「いつか復讐されるのを恐れてたってのも本当だ。
なんせあの白い牙の息子だからな。
自分なんか簡単に殺られると思ったんだろう」
「お前は、それを止めてくれようとしたんだよな」
「それもサイウから聞いたのか」
「ああ。色々と話してくれた。
止めようとしたせいで、お前も巻き添え食らったってのもな」
「そうだ。俺は必死になって止めたんだよ。
なに考えてんだってな。
そうしたら、『こんなことは良くあることだ』って言われた。
後になって分かったが、親父はとっくに人身売買に手を染めていたんだ」
木の葉と丑三つの人身売買のルートを作っていたのは、キョガクだったのだ。
そう本に書かれていたのを思い出した。
きっと、それは間違いではないのだろう。
「それでも俺はやめるように言ったよ。
で、真顔で親父に言われたんだ。
『そういえば、お前が原因だったな』ってマジな声でな。
そうして、俺まで人買いに売り飛ばされた」
「だから親父さんを殺したのか」
「違うな。親父はお前が殺したんだ」
ネイチは腕を組んだまま、人差し指を立てた。
俺がなにも言わないので、またベラベラと話し出した。
「そのあと、俺は運良く丑三つの忍に拾われた。
他の奴は奴隷になったりしてたからな。
俺は本当に運が良かった。
名前はネイチに変わったが、新しい人生を歩き始めたはずだった」
「はずだった?」
「霧のやつらが、やっと掴んだ俺の人生を邪魔しやがったんだよ。
俺は血に目をつけられて、霧に無理やり連れていかれたんだ」
俺は予想外な言葉に少しだけ驚いた。
ネイチは顔を歪めて笑った。
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