過去ログ - 律「澪と寄り道して帰る話」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 01:23:47.26 ID:Gqx9SXLWo

「はっ?おい澪、お前まさか――」

 すぐ行くから待ってて、とだけ言い残して電話が切れた。
 窓の外に目を走らせる。
 黒髪のあいつはまだ受話器に耳を当てたままだった。
 こわばった肩と全身で吐き捨てるように顔を背けた。

 右耳の電子音がよけいに不安を逆立てる。
 溜め息の音まで聞こえそうな気がした。

 すると、短髪の子がすくっと立ち上がってあいつの左手をとる。
 両手でさするように、何か話しかけてるらしい。
 黒髪の子は携帯をしまうと余った手で彼女の頭をなでた。
 私もようやくケータイから耳を離すことができた。

 心拍数がひどくて、
 後ろの物音が聞こえないうちにイヤホンを付け直す。
 次の曲はやけに静かに始まった。
 ドラッグをキメた快感の曲だって澪から教わった気がする。
 前にその話を聞いた時は、どんな感じか想像もつかなかったけど。



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