過去ログ - 律「澪と寄り道して帰る話」
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23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 01:52:43.59 ID:Gqx9SXLWo

 夕方だったらよかったのに、とずっと思っていた。

 縄跳び大会の夕暮れ通学路みたいに、
 私が先に転んで、澪をずっと引っ張って、守ってあげて、
 そういう風にしてれば二人でずっといられる。
 ずっとそう思っていた。

 でも今はただの明け方五時で、
 十七歳の私たちの居場所は少しずつ削れていく。

 何もかもがずっと変わらないって思いこみたかったんだ。
 でも昔とは全然違った。
 本当はもう逃走資金だって残っちゃいない。
 誰よりも尊い人をこんな場所まで引きずり込んでしまって、
 私はもうすぐ地獄に堕ちるだろう。ああ。

 両肩に手が触れた。
 薄目で見えた澪の両目がまっすぐ私を見つめるから、もう逃げられない。
 イヤホンも外れてしまって、
 澪の言葉を受け取るしかなかった。



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