78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:01:34.85 ID:Gqx9SXLWo
たぶん、長い間ほっといたせいで分離してたんだ。
私は沈殿したコーヒーだけ飲んで、
澪は透明な上澄みを飲み干した。
79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:03:48.27 ID:Gqx9SXLWo
両手で顔を持ち上げられた。
目に刺さる光の痛みが角膜を潤ませる。
そうだ、涙が出そうになったのはまぶしいからだ。
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:06:01.72 ID:Gqx9SXLWo
「なに言ってんだよ、聡のやつ、私らのことバッチリ見て、」
「聡は何も見てない。何も知らない。
お母さんが、
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:08:15.17 ID:Gqx9SXLWo
大丈夫だよ、って澪がいう。
もらった紙のバネを手のひらでつぶさぬよう指に力をこめたら、
まぶたの奥まで熱にひたされだした。
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:10:28.67 ID:Gqx9SXLWo
◆ ◆ ◆
プラスチック製トレイの上に散らばった紙コップや
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:12:42.13 ID:Gqx9SXLWo
ほら、行くぞ、注文だと思われるから、
なんて手を引こうとしたのに
指先だけ触れたまま一歩も動けなかったのは、
私だってここを立ち去るのが名残惜しかったから。
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:14:55.63 ID:Gqx9SXLWo
「……律。そこ段差あるよ」
転ばなかった。
手をくいっと引かれて、かろうじて立ってた。
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:17:09.20 ID:Gqx9SXLWo
夜遅くに着いた時は物珍しく見えた町並み、
明るくなって見ればうちの近所と変わらない景色だった。
ビジネスバッグを抱えた男が
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:19:22.70 ID:Gqx9SXLWo
「日本って、狭いな」
早足の人たちにぶつからぬように、
日陰の部分を選んで歩きながら言った。
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:21:37.13 ID:Gqx9SXLWo
つまり、発想の逆転だった。
家に帰って
お金とか 時間とか 受験や いろいろで
自分の町から出られなくなったって、
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 23:23:50.58 ID:Gqx9SXLWo
「唯と連絡取ってたんだ。
一昨日から、律がぼーっとしてる時とかに。
さっきコンビニで、
律のお母さんに借りた交通費を私の口座へ送ってもらった時も、
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