過去ログ - エルフが奴隷に堕ちた理由を考えてみたりなど
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110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 14:06:18.91 ID:rTWGyU3/o

 ふざけるな。彼は奥歯をかみしめた。あんたたちの都合なんて知るものか。
 首長は彼の胸中を知ってか知らずか虚空に指を振った。
「エルフは貴重だ。あのエルフを譲ればあの商人も納得するだろう」

以下略



111:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 14:06:49.14 ID:rTWGyU3/o
つづく
次ラスト


112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:05:30.13 ID:rTWGyU3/o

……

 首長からの使いが来たとき、彼はエルフに会いたいことを伝えるよう頼んだ。
 最後に一度だけ、と。
以下略



113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:06:47.00 ID:rTWGyU3/o

 夕刻、頼みは聞き入れられ、彼は牢へと案内された。
 町はずれにそれはあった。
 小さい建屋があり、そこから地下に階段が下りている。

以下略



114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:07:14.07 ID:rTWGyU3/o

 彼は答えられなかった。
 喉に何かが詰まってしまったように、何も言葉が出てこなかった。

 彼女はそんな彼に構わず言葉を続けた。
以下略



115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:08:09.80 ID:rTWGyU3/o

「なによりあなたはこの町を見捨てられない。だって優しいものね」
 エルフは鉄格子に近づいてきて、間から指を伸ばした。
 彼も手を差し出すと、彼女は指を絡ませてくる。

以下略



116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:08:58.85 ID:rTWGyU3/o

 彼女と出会ったのは横転した馬車の中でだ。
 青い瞳が彼を見つめていた。
 そして一緒に長くを歩いた。
 彼女の歌を聞いた。
以下略



117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:09:52.39 ID:rTWGyU3/o

 どれくらいの間をそうしていただろうか、気づいた時には守備兵は意識を失って彼の前に倒れていた。
 ぜいぜいと荒い息が口から洩れる。
 頭に上っていた血がざあっと身体の方へと落ちていった。

以下略



118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:10:22.92 ID:rTWGyU3/o

「なんでそんなこと訊くの」
 呆然と彼女がつぶやく。
 そんな姿に彼は叫んだ。
「決めたからだろうが!」
以下略



119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:10:57.24 ID:rTWGyU3/o

 この町の都合など知ったことか。
 自分は優しさゆえに人間に敗北したエルフではないのだ。
 どこまでも自分の欲望とわがままを貫き通す、生粋の、ただの人間なのだから。

以下略



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