過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 21:33:33.81 ID:YtpFI3Ae0
魔王「……」

 魔王はじっと、女の魔王にいたぶられる勇者を見ていた。

 必死に反撃する勇者、血を流しながら、残り少ない魔力で戦っている。

 対し女の魔王は、そんな勇者を嘲るように、攻撃をすべてノーガードで受け止め、殺さないよう注意しながら、まるで虫を痛めつけるように勇者に傷を負わせている。

 勝負は、誰の目にも明らかだった。

 それもそうだろう、この女の魔王は魔界序列第5位の実力者だ。

 最弱の魔王と互角である勇者に、もとより勝ち目などあるはずがない。

細目の魔王「悔しいかい?」

魔王「!」

 突然耳元で声を発した細目の魔王に、魔王は驚いて視線をむけた。

細目の魔王「君、気づいてないかもしれないけど、あの勇者が来たとき、口元が緩んでいたよ」

魔王「え?」

細目の魔王「あー、やっぱり気が付いていなかったか」

魔王「私が……笑っていた?」

 なぜ? 笑う?

細目の魔王「……」

 視線を床に向け、思考をめぐらす魔王へ向け、細目の魔王は口を開いた。

細目の魔王「僕はね、君が苦戦するあの勇者に、興味があったんだ」

魔王「…?」

細目の魔王「以前、君からもらったスライムがいるだろう?」

魔王「…ええ」

 魔の物にして勇者の仲間になったスライム、その貴重なサンプルを、魔王は魔界に提供していたのだ。

細目の魔王「……もしあの勇者がここに来た理由に、あのスライムが関係しているとしたら」

魔王「…?」

 魔王は、細目の魔王の言葉の意味を図りかねていた。

細目の魔王「ひょっとしたら、僕たちはもう、負けているのかもしれない」

魔王「!?……それは一体…!」

 細目の魔王に問いを発しようとした魔王は、そこではたと気が付く、その場から離れようとしていた魔王たちが歩みを止め、勇者を見つめていることに



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