過去ログ - 勇者(Lv99)「死にたくても死ねない死なない俺と、殺そうにも殺せない殺したい魔王」
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154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/08(月) 22:15:37.59 ID:YtpFI3Ae0
司祭「だから……本来なら幼児にも劣る知力しかないスライムが、あんなに都合よく動いたわけだ」

勇者「その通り」

 加えて、勇者奪還作戦に司祭が参加したのも、勇者の念に従った可能性が高い。

司祭「その時に、気が付くべきだった……」

勇者「それはどうだろうな? 気が付いてどうにかなったか?」

司祭「……信じたくなかったんだ……俺は」

 勇者の言葉を無視し、司祭は独り言のように言った。

勇者「お前なら勇者になれるんじゃないか? そこまでわかっているなら、お前も試せばいい」

 その言葉に、司祭は自嘲的に笑う。

司祭「もうやったさ……一度……試そうとした」

 勇者がやったであろう方法と同じ方法で。

 まず適当な魔物を一匹用意する。

 こちらがダメージを受けないレベルの魔物が望ましい。

 後は、密室空間にその魔物と籠り、オルガに感染するだけだ。

 一週間、オルガを感じながら、過ごす。

 やがて自分は死ぬが、それまで一緒にいたオルガは魔物の体内に戻り、またその魔物からオルガに感染する。 それを繰り返すのだ。


 オルガが《仲間》になるまで



 だけど……

司祭「あんな地獄に、耐えられるわけないだろ」

 あの死ぬときの苦痛は、想像をはるかに絶していた。

 あんなもの、並の神経で耐えられるわけがないのだ。

 オルガが《仲間》になるまで、一体なんどあの苦痛を味わえというのか

司祭「……お前は……イカれてる」

勇者「だが、その苦痛に耐えるだけの価値はあるぞ」

 勇者はどこか楽しげに語り始めた。

勇者「《仲間》になったオルガは、魔物だろうと人間だろうと等しく攻撃してくれるし、宿主の魔力を吸って俺に渡す、なんて複雑な命令も可能だ。そして分裂したオルガには、《仲間》と《レベル》の情報が引き継がれる」

司祭「あっと言う間に、お前の《仲間》が増えていくわけだ」

勇者「そうだ、そしてオルガは今や全世界の人類に感染している」

司祭「……!」

 司祭はとっさに自分の心臓に手をかざした。

勇者「無駄だ」

司祭「!!!?」

オルガ(Lv99)「……」

勇者「そんな微弱な魔法攻撃じゃ、限界までレベルを上げたオルガを駆除できねーよ」

司祭「……っ」

勇者「つまり…人類の命運は、俺の手の中ってわけだ」


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