過去ログ - 【咲】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」初美「その4なのですよー」【永水】
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36: ◆phFWXDIq6U[sage saga]
2014/09/15(月) 22:31:25.11 ID:M6NKblbwo

依子「(…何もかもが終わっても…私は京子さんの側にいたい)」

依子「(私に尽くしてくれた分、尽くしてあげたい)」

依子「(私を護ってくれた分、護ってあげたい)」

依子「(貴女のして欲しい事を…何でも叶えてあげたい)」

依子「(…ですが…)」

それが決して叶わない事も依子は理解していた。
自身と京子が仲良くなる事を石戸明星は決して快く思ってはいない。
いや、それどころか明らかに目に警戒を浮かべ、自身を牽制している。
勿論、依子には京子と明星の詳しい事情や関係は分からない。
だが、京子が明星に…ひいては神代小蒔に纏わる人物に逆らえない事くらいは察する事が出来る。

依子「(…きっとこれは京子さんの我儘)」

依子「(私のために…京子さんが一存でやってくれている事なのでしょう)」

依子「(そうでなければ…噂の出処であるらしい石戸さんがアレほどの難色を示しはしませんわ)」

依子「(…なら、エルダー選挙という一つの区切りがついてしまったら)」

依子「(京子さんは…はたして私の側にいてくれるでしょうか?)」

事情を知らない依子にもそれが決して可能性が高い事くらいは分かる。
勿論、お互いにエルダー候補として競った身。
会えば挨拶くらいはするだろうし、世間話もするだろう。
だが、それは今日に至るまでのような親しいものではない。
依子が思い願うような関係は維持出来ないだろう。

依子「(…嫌ですわ)」

依子「(京子さんと…そんな風になるなんて…)」

依子「(恩返しもろくに出来ないまま…これで疎遠になるだなんて…絶対に嫌…!)」

勿論、それはエルダーに選ばれるような淑女には相応しくはない感情だ。
きっと昔の依子であれば、その気持ちを抑えこもうとしていた事だろう。
理想の淑女にはそんなものは必要ないと全力で否定していたはずだ。
だが、既に彼女は理想というタガが外れ、一人の人間として歩き始めている。
そんな彼女が初めて知ったその感情を抑えきれるはずがない。

依子「(…そうですわ。私はまだ京子さんに何も返せてはいません)」

依子「(これだけの事をして貰って…何も返せないままではエルダーどころか家鷹の娘としての名折れ)」

依子「(だから…えぇ。だから…私が京子さんの側にいようとする事は…正しい事なのです)」

依子「(ちょっと京子さんに迷惑は掛けるかもしれませんが…きっと彼女も喜んでくれるはず)」

依子「(いえ…喜んでもらわなければいけません)」

依子「(私の全てを賭けてでも…必ず)」

それはまるで恋する乙女のような盲目さであった。
しかし、その危険性を、恋を知らない依子はまだ理解していない。
いっそ独善に近い感情を理論で固め、別離の悲しみから逃れようとしている。
ともすれば、独占欲にも繋がりそうなその感情に彼女は突き動かされ… ――



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