過去ログ - 赤城「なまえのないかいぶつ」
1- 20
42: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:41:08.97 ID:sf6OOFz8O

「了解した。今しばしの間、私はただお前の上官足らんとしよう。それでいいな」


軍帽を直そうとしてから、私服のためそもそも被っていないことに気が付いた。
ごまかすように額へ指を添えた。
幸いにも赤城は気付かなかったようだ。


「無論。我々の勝ち鬨を、あのミッドウェーの海に轟かせるべく」

「ああ、全霊を尽くして指揮を執ろう。だからお前も」

「はい。必ず生きて、あなたの下に戻ります」

「……どのようなジンクスがあろうと知ったことか。命令だ。必ず帰ってこい、赤城」

「はっ!」


純白のワンピースが陽に映える。
華やかな装いに身を包んでなお、敬礼をとる赤城の姿は凛と研ぎ澄まされていた。
男はしばらくの間、目を細めたまま立ち尽くした。

その細い指先が震え続けていることに、最後まで気が付かないふりをしたままで。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
242Res/148.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice