75: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/26(金) 23:25:08.16 ID:fTpXk5n+O
二航戦が軽口を叩いていたが、今の赤城に乗る余裕はない。
霧の向こうを見通さんばかりに凝視する。
唾を飲もうとして飲みこみそこねた。
喉がカラカラだった。
「距離、よし……高度、よし……」
霧島が眼光鋭く左手を掲げた。
弾着観測射撃の態勢だ。
彼我の距離は航空戦の間にじわじわと縮み、今や戦艦主砲の射程内だった。
靄が徐々に晴れていく。
その向こう側に、ゆらりと仁王立ちする影を認めた瞬間、
「全門、斉射ぁーーっ!!!」
霧島が主砲の発射音にも負けない怒声を張り上げ、
「な……!?」
同時に「鬼」が、霧の中から一直線に飛び出してきた。
その耳元を、脇腹を、41cm砲から放たれた豪火が掠めていった。
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