17: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/09/16(火) 20:20:15.61 ID:sCBd7Qvo0
「月が多くの人間に畏れられているのはわかるけど、どうして月なんだ?」
「うさみん星人とやらは月の民なのじゃろう? 現代においてはアイドルも宗教に近い。月が勘違いするのも無理ないわ」
アイドルの語源は偶像崇拝から来ている。
偶像とは神や仏を象った像のことで、信仰や盲信の対象、象徴という意味を持つ。
アイドルの場合、実際に存在するがその在り方が人ではなく、象徴に近いことからそう呼ばれたのだろう。
……ということは、それって。
「……月が勘違いで安部さんを神にしようとしてるってことか?」
「まあ、そうなるのう」
「な、なんですかそれ……」
「このままだとロリ乳娘はもはや人間の括りを越えて、ひとつの上位存在として生まれ変わることになるじゃろうな」
「忍ちゃん、その呼び方やめてもらえないかな……」
確かに呼び方はどうかと思うが、忍が人の名前を覚えないのは今更だし、今はそれどころではない。
「上位存在?」
「誰もがロリ乳娘の存在を知っておる。どんな時代、どんな場所、どんな瞬間であろうとそいつはそこにいる。だが誰もその姿を認識することが出来ん」
いつでもそこにいて、その実どこにもいない。
それはもう、
「概念……だな」
「そんな……!」
「なんとか元の状態に戻せないか?」
「知らんわ。せっかく神になれると言うのに自分から拒否する奴なんぞ見たことも聞いたこともないしの。そうじゃの……あるとすれば、月は人の言葉なんぞ解さん。態度で示すしかないじゃろうな」
先程から僕らの話を聞き、言葉も満足に紡げず狼狽する安部さんに向き直る。
安部さんが神様なら全力で信仰するところだが、今はふざけている場合ではない。
後は、安部さん次第だ。
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