過去ログ - 傭兵「この世でお前が一番大事」僧侶「じゃありま……えっ?」
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43: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:33:14.98 ID:PenK6jnl0

 仕方がありません。とわたしは納得します。だって傭兵さんですから。お金にがめつい守銭奴でありながら、しかし、それをちゃらにするくらい魅力的な人物なのです。恋人の一人や二人いてもおかしくはありません。
 いや、二人いては浮気になるのですが。ただしそれが男性の甲斐性というのでしょうか。英雄色を好む、とも言いますし。

 そもそも、これまで彼に恋人がいないと思っていたこと自体がわたしの希望的観測に過ぎなかったのです。楽観的というか、まさかこの人が女に現を抜かすなんてことはしないだろうと思っていた部分は、確かにあります。
以下略



44: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:34:08.75 ID:PenK6jnl0

傭兵「ただ、わからないところがあるんだが」

僧侶「はい」

以下略



45: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:35:14.67 ID:PenK6jnl0

傭兵「朝っぱらからわけわかんねぇ。俺ァ行くぞ」

 昨日と変わらぬよそよそしさを発揮しだして、傭兵さんは踵を返します。
 普段の彼なら、あと二言三言、わたしを馬鹿にする言葉があってもおかしくないのに。
以下略



46: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:36:20.48 ID:PenK6jnl0

傭兵「あぁ……どうりで。恋人だの、お祝いだの、いつにもましてわけわかんねぇこと言ってんなぁと思ってたら、そういうことかい」

 呆れ顔の傭兵さんでした。

以下略



47: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:37:33.24 ID:PenK6jnl0

僧侶「えー、遊んでくださいよー」

 冗談めかして言ってみます。冷静な頭でやけにどこかがうるさいぞ? と思えば、それはわたしの心臓なのでしたからたまりません。
 それは莫大な勇気を必要とする行動でした。そんな台詞を吐くこと自体にかなりの勇気がいるだけでなく、どこかよそよそしい傭兵さんを前にして、どんな断りの文句が飛んでくるのかわかったものではなかったからです。
以下略



48: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:38:34.70 ID:PenK6jnl0

傭兵「部外秘だ」

僧侶「一応わたしだってPMCの事務と経理やってんじゃないですか」

以下略



49: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:39:22.55 ID:PenK6jnl0

 そのまま彼は後ろを向いて、もう一度「悪いな」とかすかに呟いたかと思うと、ゆっくり歩き出します。

僧侶「何か言ってくださいよ、傭兵さん」

以下略



50: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:40:04.96 ID:PenK6jnl0

※ ※ ※

 超痛い。

以下略



51: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:42:37.60 ID:PenK6jnl0

傭兵「もしもし、いるか」

掃除婦「なんでしょうか?」

以下略



52: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:43:29.54 ID:PenK6jnl0

 俺は一旦話を打ち切って、即座に本題へと突入する。

傭兵「とりあえず昨晩なにやってたんだ、てめぇ」

以下略



53: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:44:51.85 ID:PenK6jnl0

 俺は掃除婦が有能だと言うことを知っている。その有能さは、なにもこと戦闘力においてだけではない。武芸百般に通じているだけでなく、全体像の把握が劇的に得意なのだ。
 というよりも、個別の事象の糸を手繰って、一枚の布を編み上げるのが彼女の本領なのだろう。
 そんな存在を前にして、俺は心臓の高鳴りを覚えている。そりゃ愉快にもなる。変な笑い声も出よう。顔だって歪むさ。

以下略



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