過去ログ - 穂乃果「私はあなたのものだから」
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211: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:40:33.58 ID:pIyDd0Ai0
「穂乃果、お客さんをお送りしないで……、ってどうしたの?」
少し怒っているらしいお母さんが今に来るなり私に説教をしてこようとして来ていたみたいだけど、全身で机と同化してまで落ち込んでいる私を見て、それは心配に変わった。
「……ううん、なんでもないよ。ちょっと、考え事……。部屋行くね。ご飯出来たら、呼んで」
茫然自失、現代文で読んだことあるけど、これがそういう事言うんだね、とにかくそんな感じでよろよろと居間を出る。その間も、真姫ちゃんとのこれからをどうしようか考えたまま。それしか頭にないっていうか。
階段を上って、自分の部屋まで歩いている間に浮かぶのは、真姫ちゃんの顔。笑っている顔、怒っている顔、悲しそうな顔、驚いてる顔、照れている顔、あきれてる顔、楽しそうな顔……。
部屋の引き戸を引いて、さっきまで楽しくて、明るかった私の部屋は一転して暗くしんと静まり返っていて、私はその一部になる様にベッドに倒れ込む。暗くなると、余計にさっきまでいた真姫ちゃんの顔がはっきりと浮かんでくる。
真姫ちゃんと別れれば、これまで通り真姫ちゃんはスクールアイドルを続けられる。けれど、真姫ちゃんとは特別な関係でいられないんだって思うと、それは嫌。
じゃあ真姫ちゃんをスクールアイドルを辞めさせて、私と一緒にいさせればどうなるかな。……真姫ちゃんはそれでもいいっていうかもしれない。けど、真姫ちゃんは音ノ木坂の大事なスクールアイドルだし、もしもやめたら花陽ちゃんたちが迷惑しちゃう。
だからと言って、私のわがままで真姫ちゃんを一人にさせちゃうのはもっと嫌。私がいやだもん。
「……わかんないよ……。どうすればいいの?」
柄でもなく解決方法を考えているのに、結局浮かぶのは真姫ちゃんが遠ざかってしまうことばかりに目が行って、結局具体的なことは何にも、それどころかどうして別れてしまうんだろうってことばっかり考えてしまって、胸の中がぐちゃぐちゃになって、頭がパンクして、気づいたら真っ暗闇の中で、寂しく寝ちゃってた。
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