44: ◆297.OiRF9k[saga]
2014/09/25(木) 23:01:38.97 ID:Qub4rkDEo
だがここにきて、再び大問題が持ち上がってきたのだ。
それはおれが、割れて床に散らばったコーヒーカップの破片の掃除をし
万が一の怪我をさせない為に貴音をソファーの上に待たせていた途中のことだった。
「すまない。せっかく貴音が買ってくれたコーヒーカップを割ってしまって」
とおれはコーヒーカップの破片を箒で一箇所に集めながら貴音に詫びた。
「いいえ、物品はまた購入すればよいのです。
それよりあなた様と共に過ごすこの瞬間の方が大事です。
今を過ぎてゆく時はもう二度と戻らないのですから」
と貴音がいった。
貴音の慈愛に満ちた眼差しと言葉におれの胸は打たれてしまった。
はたしておれの悩み――欲望に塗れた下衆な悩みはこの女神を穢すに値するだろうか。
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