過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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84: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:31:04.83 ID:NV91PEd4O
二限目の終わりに携帯電話をチェックすると、真姫ちゃんから昼食を一緒に食べようという旨の連絡が来ていた。

『いいわよ』

早速そう返信して、私は教室を後にする。この時間に服用する薬は、幸い制服のポケットに収まる量で済んでいた。

「にこ」

廊下に出るなり視界の隅に映った金髪。私はそれに気付かないふりをしようとして、けれどあちらがそうはさせてくれなかった。

「絵里、どうしたの」

きっと、居るだろう。そんな予感めいた確信が、にこの中にはあった。それが現実になったとしても、さして驚きはしない。

「たまたま見かけたから声をかえただけよ。どこか行くの?」

きっと前の休み時間も、こうやって待ち構えていただろうに。それなのに、『たまたま』なんて言葉はあまりに急ごしらえで見え透いた嘘だった。

(真姫ちゃんみたい)

あの子ほど、意地っ張りではないけれど。それでも分かりやすいという点では大差ない。

(……感情に振り回されない分、絵里の方が厄介かしら)

昨日見られてしまった薬のことがあるから、下手に煙に巻こうとしても納得はしてくれないだろう。

そういう時、絵里は間違いなく希に相談してしまうから。そうなれば結論にたどり着き、それがμ‘Sの仲間達に伝わるのもあっという間だ。

休み時間はたっぷり10分。その間に絵里とは話しておく必要がある。

「絵里、話があるの。二人きりになれないかしら」

向こうから声をかけて来てくれたのは、却って好都合だった。

丁度真姫ちゃんから返ってきた返信を見て、私は行き先を決める。

「部室まで、一緒に行きましょう」


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