過去ログ - 【安価】提督「苦労と笑顔の絶えない提督ライフです」
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4: ◆4W65v8B6xEyJ[sage]
2014/09/27(土) 00:50:17.25 ID:OFC0dVhB0
提督。

海軍の中でも艦隊指揮を司るプロフェッショナル。

そして、この世界の海を支配している化け物を駆逐する軍人である。

艦娘という少女を操ることで、超常の存在である化け物とやっとのことで渡り合えるのだ。

それが一般の人間が抱く認識だ。


「んーと、今日は何を食べようか」

「電はA定食にしますっ」

「んじゃ、俺はB定食かな」


もっとも、艦娘を操ると簡単に言っているが、実際は非常に繊細かつ至難の業なのである。

幾人もの思考を束ね、的確な思考を艦娘の頭に流し込むことができる能力を持つ者がなれる才能ありきの仕事だ。

更には、艦娘のメンタルケア、通常業務といった事をこなさなければならない為、相当に厳しい仕事内容である。

それでも、成り手が一向に減らないのは見目麗しい艦娘に対して、邪な思いを持つ者が多いからなのか。


「あっ、すいません」

「ったく、何ぶつかってきてんだよ」

「ホント、いつもへこへこしてて気持ち悪言ったらありゃしない」

「あんな野郎の下で働いてる奴等は不憫でしかたねーな」

「……すいませんでした」


そして、提督の中でも当然に序列が存在する。

艦娘に嫌われている、出撃や演習の勝率が悪いといったお荷物的存在な提督も中にはいるのだ。

今、艦娘達にへこへこしている提督はその中でも最低最悪と言っていいぐらいに評判が悪い。

能力のなさとうだつのあがらない性格。それらは艦娘達の苛立ちを加速させる。


「……はぁ」

「どうした?」

「いえ、何でもありません」


彼女が一瞬だけ何とも言えない表情を見せたのは気のせいだろうか。

提督は気になって問いかけたが、電は何も言わずに黙りこむ。

彼女もあの無能提督のことを嫌っているのだろうか。

提督はそこまで嫌悪感を持っていないのでわからないが、艦娘にとっては違うのだろうか。

幾つもの疑問が浮かんだが、結局解決には至らず。

ただ、ほんの少し悲哀の情を顔に見せた電が気になったが、今となっては知る由もない。

そのまま、食事へと向かう電の背中を見つめるしかできなかった提督は、両の掌を握りしめる。

もっと深く踏み込んでおけばよかったという後悔を胸にしまい込み、その場から手を伸ばす。

まだ、掴めない右手を前に、前に。


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