過去ログ - 葛葉ライドウ対地獄少女
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12:山梨最高 ◆31XYrFalkuo5[sage]
2014/09/27(土) 23:01:41.83 ID:4btJ32Bz0
深川町の祠前空地には見るから貧しそうな男が立っていた。

依頼人「あれ、探偵って聞いていたが、書生さんが来たぞ。
えっ、助手だって。まあ何でもいいや、聞いてくれよ……。
拾った新聞に地獄通信なんて広告を見つけちまったのがきっかけだ。
広告にあるとおりに手紙を出しちまった俺もいけないのかもしれないけど」

ゴウト「待て待て、いきなり話がかみ合っていないぞ。
地獄通信が広告だと? 空白が地獄通信ではないのか?
ライドウ。まずはそこから確認してはどうだ?」

ライドウはいったん話を遮り、紙面に載っていたという地獄通信について尋ねてみた。

依頼人「ああ、いきなり地獄通信なんて言ったって分からないよな。
ほらその拾った新聞も持ってきたんだ。昨日の帝都新報なんだけど、ここの欄だよ。
見てくれよ。手書きみたいな文字で『貴方の怨みはらします。地獄通信』って書いてあるだろ?」

しかし、男の指し示す場所には例の空白があるだけだった。

依頼人「ええっ、何も書いてないだって、からかうのは止めてくれ、さっき相談した知人にもそういわれたんだ」

しかし、何度見ても空白は空白のままだ。

ゴウト「ム、待てライドウ。この男嘘をついているようには見えん。
この男には本当に広告が見えているのではないか?
この紙面にもやはり妖気を感じる。
特定の人物にだけ広告の内容が目に映るような呪術が施されているとは考えられないか」

ライドウは、持っていた鉛筆で広告の文字をなぞるように依頼人に頼んだ。

依頼人「こんなことに意味があるとも思えないけど、まあいいや。ちょっと待ってくれ」

依頼人はさらさらと鉛筆を走らせる。

ゴウト「貴方の怨み晴らします。地獄通信……か、後は連絡先だな。
これで話の食い違いは解決したな。
この広告は我が探偵手帳に控えておいてやる、感謝しろ。さて、続きを聞こう」

依頼人「そう、俺には怨みに思うやつがいるんだよ。
やつのことを思うとイライラして夜も寝れない。
だからこんな広告を見て藁にもすがる気持ちで手紙を出しちまった、ポストに投函したんだ。
そういえば切手を貼り忘れたと思った瞬間に……いや、この先を話すのはやめておくよ。
自分でも信じられない話だからな。気が狂っていると思われちまう。
とにかく、それで藁人形を貰ったんだ。
でも、使うのが怖くて、処分する方法を相談したいんだ」

と、依頼人は懐から黒い藁人形を取り出した。首元には赤い糸が結ばれている。

ゴウト「フム、藁人形を貰ったというだけでは何もわからんな。
しかし話したくないというなら無理に聞き出すわけにもいくまい。
どうする? ライドウ」

ライドウは、依頼主から仕草が見えぬよう外套の中でこっそりと仲魔を召喚した。
緑色の人形のような体と、四肢と頭の先端に赤く切り株のような断面をもつブーメランを持った仲魔、モコイである。

ゴウト「そうか、読心術という手があったな」

モコイ「ハロー、サマナーくん。呼ばれて飛び出たッスよ。
チミの願いはあれだね。
こき使われるね、ボク。いいけど。それじゃいくッスよ」

モコイは読心術を試みた。依頼人の過去の記憶が脳裏に浮かんでくる。


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