過去ログ - 葛葉ライドウ対地獄少女
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49:山梨最高 ◆31XYrFalkuo5[sage]
2014/09/27(土) 23:46:37.04 ID:4btJ32Bz0
しかし、ライドウは引かなかった。先ほどの問答を聞くに、どう交渉しても人面蜘蛛は地獄流しの頻度を高めることを止めないだろう。
いずれにせよいつか相対して祓わねばならないのだ。

ならば、ゴウトを守れる今祓うのが一番よい。
何よりゴウトが地獄に落ちる瀬戸際、座して見ることなどライドウには出来なかった。
ロケットの時のような思いは二度としたくなかった。

そんな思いが伝わったのか、ゴウトは態度を和らげた。

ゴウト「愚か者め、だが今度ばかりは素直に礼を言うぞ」

人面蜘蛛「愚かな。人間よ、少し痛い目に合ってもらうぞ、後悔するがいい」

すでに人面蜘蛛の巨大化は終わり、猫ほどの大きさとなっていた。

ライドウが封魔管と拳銃に手を伸ばすと同時に、人面蜘蛛は尻から勢い良く糸を吹き出した。
糸は瞬時にライドウを絡め取り身動き一つ取れなくなる。

渾身の力をこめるが糸はギシリともしない。
ただの蜘蛛の糸でさえ鋼鉄以上の引っ張り強度が有るのだ、地獄の蜘蛛の糸にどれほどの強度があるか。
しかし幸運にもライドウが手は、すでに封魔管まで届いていた。

ジャックランタン「キホホー、みんな焼き尽くしちゃうホー」

糸をすり抜けて召喚されたジャックランタンが周囲に放つ炎は、ライドウに絡み付く糸を瞬時に焼き尽くし、同時に人面蜘蛛にも襲い掛かる。

しかし、徘徊性の蜘蛛のごとき俊敏性でひらりと躱される。
ジャックランタンは追撃に数条の炎を放つ、ライドウはそれに合わせて銃撃を放った。

人面蜘蛛の放つ黄金色の衝撃波が炎を散らし銃弾を打ち落とす。

一条の炎だけはなんとか衝撃波を通り抜け、人面蜘蛛に襲い掛かる。
機敏に躱そうとする人面蜘蛛だが、左足数本か炎に炙られ、焼け焦げた。

対して、黄金色の衝撃波はライドウ達の集中砲火を打ち落としてなお減衰せずライドウたちを襲った。
壁のように迫る衝撃波を躱せるはずもなく、狭い地下室には盾になるような物もない。
止むなくライドウは陰陽葛葉にマグネタイトを込めて防御することにした。
ジャックランタンは召し寄せ、隠し身をさせる。
一時的に異世界に身を隠しあらゆる干渉から仲魔を守る技術である。

防御越しに伝わる衝撃は予想したものよりだいぶ小さかった。

ゴウト「思うほど強い悪魔では無いのか?
並の悪魔召喚師では刃は立たぬであろうがこれならばライドウの敵ではないな。
立場上地獄少女より上でも、強さはそうとも限らぬということか」

人面蜘蛛「まさかここまで腕が立つとは、現世で戦えば勝ち目はないか」

人面蜘蛛は、つぶやくと同時に背中の目玉を光らせた。
まばゆさに一瞬目が眩む、視界が回復したときにはライドウたちは見慣れぬ荒野にいた。


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