過去ログ - 葛葉ライドウ対地獄少女
1- 20
48:山梨最高 ◆31XYrFalkuo5[sage]
2014/09/27(土) 23:45:39.12 ID:4btJ32Bz0
ゴウト「何者だ?」

謎の声「そこの帳面に書いてあっただろう。
私は鶉橋に召喚された地獄の住人だ。
人面蜘蛛とでも呼ぶがいい」

今度は声の出元がはっきりと分かった。赤い背の蜘蛛から声が聞こえてきているのだ。

ゴウト「そうか、まだ地獄へ帰っていなかったのか。
まあちょうどいい、聞きたいことがあったのだ。
鶉橋の奴は地獄少女を我らに殺させるつもりだったようだが、貴様に会うまでの研究成果が記されている帳面にはそんなことは一切書かれておらぬ。
貴様が吹き込んだのか?」

人面蜘蛛「そのようなことはしておらぬ。
私は鶉橋に地獄行きを逃れる事ができぬこと、鶉橋が地獄に行く際は地獄少女閻魔あいが水先案内人を務めることを教えただけだ」

ゴウト「なるほど……それで、あやつは地獄少女がいなければ地獄に流されないと考え……
さりとて地獄少女に自ら勝てるとも思えなかったため我らが地獄少女を倒すようしむけたのか……
地獄少女とうぬは同じ地獄の仲間であろう、鶉橋の仲魔となったとはいえ彼女を害する可能性を看過するとはな」

人面蜘蛛「現世の者があいを害せるものか。
そこの書生も腕が立つようだが、結局あいを害することはできなかったそうではないか。
あいの贖罪のためにも、多少の無理をしても変化が必要だったのだ」

ゴウト「贖罪だと? 地獄少女も罪人だったのか?」

人面蜘蛛「あいは人としての死を迎えた後、己の怨みを解き放ち、新た怨みを生み出した。
贖罪に現世に留まり己の罪を身をもって知らねばならぬ。
そのためにもあいが依頼を果たす頻度を今以上に上げる必要があったのだ。
鶉橋の目的を果たさせるわけにはいかぬが、奴の手段は利用できた。
だからこそ私は偽地獄通信を新聞に載せるよう奴に吹き込んだのだ」

ゴウト「ふむ、では偽地獄通信の発案者、犯人……元凶はうぬであったということだな」

人面蜘蛛「犯人とは随分な言い様だな。
私はただあの男に召喚され、質問に答え、力を貸しただけだ。
召喚された悪魔の責務を果たしたにすぎぬ。
更に言えば地獄通信の管理者である私には当然地獄通信を新聞に載せる権限がある。
私の行為の何処に咎がある」

ゴウト「地獄流しの頻度が上がっては帝都の、現世の平穏が乱れる。
その切っ掛けとなるのが悪事でなく何だというのだ」

人面蜘蛛「黙れ、現世の人間の都合で罪を計るな。
それに貴様こそ罪人であろう。
すでに死して本来地獄に落ちるべき罪人の魂がなぜ永く現世にとどまっている。
貴様の魂を地獄に送る裁量が私には有るのだぞ」

ゴウト「黙らぬ、確かに地獄の理屈では貴様の行動に瑕疵は無いかもしれん。
が、我らは現世の理屈で、いや、葛葉のコトワリで動いているのだ。
貴様の行いを認めることは出来ぬ」

人面蜘蛛「認める事ができぬというのはこちらも同じだ。
私の邪魔をする貴様らの行為を認めるわけにはいかぬ。
最終通告だ、今後私の邪魔をせぬと誓え」

ゴウト「虚偽の誓いは出来ぬな。
何度でもいうが、地獄流しの頻度上昇を看過することなど出来ぬ」

人面蜘蛛「どうしても私の行いを看過できぬというのだな。
最早、問答無用か、仕方がない実力行使で貴様を地獄へ送ってくれる」

人面蜘蛛はその小さな体を震わせ、妖気を放ちながら、徐々にその大きさを増して行った。

その迫力にゴウトは思わず後退る。
その脇からスッと、ライドウが歩み出てゴウトを守るように立ちふさがった。

人面蜘蛛「人間、そやつを庇うなら生者とて容赦せぬぞ」

ゴウト「ライドウよ、手を出すな。奴が我を地獄に送ると言うのは我の問題だ。
地獄少女より高位の悪魔と無闇に争うような危険にうぬが晒される必要は有るまい。
今の言いようから考えて、手さえ出さなければうぬは無事に帰れよう。
そうして改めて偽地獄通信を止める手立てを考えるのだ」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
71Res/125.58 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice