過去ログ - 葛葉ライドウ対地獄少女
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52:山梨最高 ◆31XYrFalkuo5[sage]
2014/09/27(土) 23:50:01.42 ID:4btJ32Bz0
人面蜘蛛は追撃に移ろうとするが人修羅が許さなかった。
人面蜘蛛の足もとの大地が震えながらひび割れ、地下から淡く紫に染まった光が溢れる。
もはや中が見えぬ程の輝きの中から人面蜘蛛の悲鳴が聞こえた。

耳障りなその声の中、ライドウの耳に微かに、しかしはっきりと三鈷鈴の音と、しゃがれた声に似合わぬ優しい祈りの声が聞こえた。
それと同時に全身の火傷が瞬時に癒える。

だいそうじょうに感謝の視線をおくると、その隣で先程まで「マカカジャマカカジャ〜♪」と鼻歌を混じりに補助魔法を重ね掛けしていたピクシーが万能属性の魔法を放とうとしていた。
その埒外の魔翌力に味方ながら背筋が冷える。

直後、大爆発が人面蜘蛛を襲った。
気の遠くなるような爆音と光の奔流が止んだ後には満身創痍ながらも人面蜘蛛が立っていた。
その眼光には未だ敵意が宿っている。

ライドウと人修羅は視線を交わした。
言葉は無くともお互いの意図が伝わる。

人修羅が気合いを溜め、その隙を埋めようとベルゼブブとピクシーの引き起こす稲妻が人面蜘蛛に打ち付ける。

ライドウはスサノオに向かって走っていた。
構えていたスサノオの手に足をかける。
鍛えぬかれたライドウの脚力と、スサノオの腕力がライドウの体を高く飛び上がらせる。

ライドウが放物線の頂点に達したとき、人修羅の眉間から至高の魔弾が放たれた。

魔弾は人面蜘蛛を貫通し遥か彼方へ消えて失せる。
魔弾の威力に跳ねた人面蜘蛛が地に落ちるとき、ようやくライドウが追い付いた。

巨大な人面蜘蛛を陰陽葛葉が縫い止めた刹那、地面に幾筋か薄紫色の光が這い巨大な魔方陣を描き出した。
魔方陣を構成する複雑な光の線は光度を増し、まばゆく輝き光の粒子すら放つ。
あまりの光量に前後左右上下全方位、光の線以外が漆黒に見え、魔法陣から放たれる光の粒子が星に見える。
さながら宇宙空間にいるかのようである。

仲魔の最後の切り札が人修羅であれば、攻撃手段の最後の切り札はこの技、天命滅門であった。

仲魔のマグネタイトはおろか精神力すら借り受けて攻撃翌力に転換する万能の一撃。
魔方陣上の一切の敵対者を悉く屠る必殺の一撃である。

輝きが収まったとき、そこには生きているかさえ疑わしい人面蜘蛛がひっくり返っていた。

ゴウト「……確かに全力で攻めろとは言ったが、ここまで一方的になるとは。
うぬの強さはもはやこれほどまでになっていたのか。
このような後進を持てて我も鼻が高い。
しかし、人面蜘蛛の奴、半端に強いばかりに憐れな」

人面蜘蛛の体がマグネタイトを撒き散らし、縮んでいく。
見る間に一寸程度の潰れかけた蜘蛛へと変化した。

人面蜘蛛「もはや身動き一つとれぬ。貴様の勝ちだ。
一対六とははいささか卑怯な気もするが負けは負けだ。
……貴様等はどうあっても偽地獄通信を止めるというのだな」

その声には最早敵意はなく、感じ取れるのは諦観の念だけであった。

ライドウははっきりと頷く。

人面蜘蛛「わかった。偽地獄通信は止めるとしよう。
無理に続けて、あいを祓われては困る。
……まさか現世にこれほどまでに強力な悪魔召喚師がいるとは」

ゴウト「今度こそ依頼達成だな、ライドウ」


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