過去ログ - 葛葉ライドウ対地獄少女
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53:山梨最高 ◆31XYrFalkuo5[sage]
2014/09/27(土) 23:51:35.39 ID:4btJ32Bz0
翌日、鳴海探偵事務所でライドウは鳴海に事件の顛末を報告していた。

鳴海「いやーお疲れだったな、ライドウ。
しかしまさか生きたまま地獄まで行くとは。
本当にすごい奴だよ。ライドウはさ」

鳴海事務所の事務机に座った鳴海が話しかけてくる。

鳴海「そんなライドウの活躍で、偽地獄通信はなくなり、帝都も地獄少女一味も元の平穏を取り戻した訳だ」

ふと、にこやかに話していた鳴海の表情が曇る。

鳴海「でも、根本的な問題は解決していないって俺は思うんだ。
偽地獄通信の一件、確かに切っ掛けは人面蜘蛛の仕業だったが、帝都の人々が怨みにとらわれていたのが根本的な原因だろう?」

ライドウに向けられていた視線が机へと落ちる。

鳴海「怨みにとらわれるってのは恐ろしいとつくづく感じたよ、俺は。
だってさ、ライドウ、地獄に堕ちるんだぜ。
冷静に考えればこんな代償絶対割りに合わない、払いたくないぜ。
それなのに怨みにとらわれてしまうとそれを選択してしまう。
もちろん怨み自体が悪いって訳じゃない。
怨みだって自分を高める原動力になりえるしな。
ただ、それにとらわれるってことが恐ろしいんだ」

頭を掻き、天を仰ぐ鳴海。

鳴海「難しいよな、当たり前だけど俺だって人を恨むこともある。
だからわかるぜ、怨みにとらわれないことの難しさが。
でも、それをなんとかしなくちゃ、偽地獄通信がなくても何時か何処かでヤタガラスの使者の言う怨みの連鎖が起こってしまう気がするんだ。
そんなときは一体どうやって事態を収めればいいんだろうな?」

そこまで言うと、鳴海は深刻そうな顔を一転して緩め明朗に笑った。

鳴海「なーんてな、その時のことはその時の人々が考えることだよな。
それに皆が怨みにとらわれない方法なんて考えても思いつかないし、考えるのはやめにしようぜ。
難しいこと考えたらお腹減ってきちゃったよ。
田原屋のハヤシライスでも食べにいこうぜ。
あー、なんだかハヤシライスのことを考えたら余計にお腹がへってきたぜ。
よし急いでいこうぜ、ライドウ」

鳴海は言いながら帽子をかぶり、急いで事務所を去っていく。
ライドウとゴウトは顔を見合わせ、ため息を吐きながら鳴海を追っ手探偵事務所を後にした。




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