過去ログ - 【艦これ】「提督、榛名は……榛名は大丈夫ですよ」
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/04(土) 14:21:22.71 ID:mAyfGwuPO

「……長門、五十鈴を抑えておいてくれ。……比叡、皆を纏めて帰ってくるんだ」

「ですが、司令……」

俺の指示に何か言いたげな比叡。榛名のことを考えたら当然か。けれど、ここは俺も譲れない。

「文句は帰ってきてから受け付ける。だから、頼む。俺の指示通りにしてくれ。決してーー榛名を助けに行こうだなんて、思わないでくれ」

だから、頭を下げる。榛名が一人だけで行ったって事は、そういう事なんだろう。なら、俺はその意思を引き継がなければならない。

「そんな! 司令、やめてください。指示には従います。ですので、頭をあげてください!」

「なんでよ! 追わせなさいよ! これだけ艦娘が居たら大丈夫でしょ!?」

「五十鈴、落ち着け。提督の指示だ」

「離しなさいよ! やっぱり、あの子一人で行かせるんじゃなかった!」

顔をあげると慌てたような表情を浮かべる比叡と、その後ろで長門と五十鈴が騒がしくしてるのが映像に映る。

「すまんな、五十鈴。少し眠ってくれ」

「ぅぐ……っ!?」

「嫌な役押し付けてすまん、長門」

「いや、いいんだ。私もこの指示に納得はしていないが、ここに居る全員で榛名を追いかけても、意味がない事もよく分かっている」

やがて業を煮やした長門が、五十鈴を物理的に眠らせる。五十鈴の世話を押し付けた手前、長門に対して罪悪感が湧いて、気づけば謝罪を口にしていた。
もっとも、その返答はあっけらかんとしたものだったが。

「すみません、提督。元はと言えば私が大破したせいで……」

「あー、そういうのは帰ってからにしてくれ。このままじゃ埒があかん」

「へいへーい。じゃあ、私は帰ってお休みしますかねー。明日の出撃の為に、英気を養うのだー」

どうやら北上にはこちらの考えがお見通しらしい。……いや、北上だけではないな、これは。皆、何かを決意した表情で俺を見ている。

……全く、頼りになる部下を持った事で。

一瞬、目頭が熱くなるが、上官としてのプライドでそれを押さえつける。そして告げる。艦娘達が期待しているであろう言葉を。

「総員、比叡の指示に従って無事に帰投しろ。これは命令だ。そして、明日に備え身体を休めろ。日の出と同時に、榛名を迎えにいくぞ!」

俺がそう言うと、多種多様な返事が聞こえ、それと同時に通信機に表示された映像も雲散霧消した。


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