過去ログ - 【艦これ】「提督、榛名は……榛名は大丈夫ですよ」
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[saga]
2014/10/14(火) 16:39:42.72 ID:jlF5eTxDO
「さっきも言ったが、建造というのは、それを行った人物の心に強く影響される」
「建造されたばかりの艦の場合……そうだな、着任したばかりの卯月が、現に建造を行っているから、これを例えに出すが、次に着任するのも彼女と同じ睦月型だろう」
「未着任の姉妹の事、気にするなという方が無理だからな。……さて、ここまで言えば、俺が何を言いたいのか分かったか?」
訝しげな私に対し、建造についての説明を。前の鎮守府では、提督がずっと建造をしていた事と駆逐艦しか着任しなかった事への合点がいく。
「接点が殆どないのに、私の建造で卯月さんが出てきた。つまり、私の心が彼女で占められていた、と言いたい訳ですか」
「察しが良くて助かるよ。会いたかったんだろ、卯月に」
「……まあ、色々と言いたい事があったので」
「今なら言えるが?」
「残念ながら、彼女は私の知っている卯月さんではないから、言っても混乱させるだけかと」
沈んだ艦娘の記憶は引き継げない。まさしく生まれ変わると同義なそれを彼は知らなかったらしい。自嘲気味に笑った私に彼の表情が変わる。
「……そうか。それは申し訳ないな。救うと大それた事を言った割に、力になれてない」
「いいえ。卯月さんに会わせてくれた事は感謝しています。確かに彼女は私の……いえ、私達の負い目ですから」
少なくとも彼女と再び出会えた事で、背負っていた重荷が軽くなったのも事実ではある。中身が違えど、会いたかった事に相違ないのだから。
故に、確かに私は彼に救われたのだろう。
「……お願いがあります」
「なんだ?」
ソファから離れ、私は彼の目の前に移動する。
ーーあの鎮守府での生活は、心身を磨り減らすだけの日々だった。
それを呪って、後悔はするが、足掻くだけ無駄とどこか諦めて、前を見ることなく、立ち止まって、後ろばかり振り返っていた。
それはきっと、私だけでなく彼女達も同じだった筈で。
ならば、少しだけ前を向ける様になった私が、彼女達を先導してやらねばならない。
「私が居た鎮守府に残っている、他の艦娘達も助けてください」
私だけが救われるなんて、私自身が許せない。だから、頭を下げる。
この人なら、きっとなんとかしてくれる。そんな気がしたから。
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