903: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/11/30(月) 01:03:39.73 ID:j0JuHi67o
と、それに目ざとく気付いた勇者様が、姫ちゃんが積み木積みに夢中になってる間にササッとお姉さんのベッドから毛布を引っ張り出して、十六号さんに掛けてあげる。
「…ありがと」
「うん、どういたしまして」
十六号さんのお礼に、勇者様はさも、なんでもないよ、なんて雰囲気で答えるとまたすぐに姫ちゃんのところへと戻って行った。
「十六号お姉ちゃん、最近勇者様にちょっと優しいよね」
零号ちゃんが二人のやり取りを見てそんな事を言う。すると十六号さんは片目だけを開いて
「いつまでもツンケンしてたら、暮らしづらいだろうしな…アタシは、こないだ謝ってるのを聞いてもう良いんじゃないかって、そう思った」
と毛布を体に掛けなおし
「姉ちゃんには悪いかな、ってちょっと思うんだけど…ま、それは、考えても仕方ないし…っと、まぁ、とにかく休むよ、おやすみぃ…」
なんて言い終えた頃にはすでに寝息を立て始めていた。
どうやら十六号さんも疲労抜けてないみたいだ。このままだと、この街の機能維持に支障が出てしまうかも知れない。
そうなると困ってしまうのはこの街に住む人々だ。
「サキュバスちゃん達の誰でも良いから、早く帰って来ると良いね…」
零号ちゃんが誰となしにそう呟く。
「うん、そう思う…」
私もそんな零号ちゃんと同じ思いで、気付けば私達は揃ってため息を吐いていた。
978Res/1629.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。