過去ログ - 【銀と金】森田鉄雄は絶望の城へと拉致されました 第二部【賭博黙示録カイジ】
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297:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/19(水) 17:18:49.20 ID:g0Z8QOvQ0

森田(やはりそうか……その手できやがったのか)

森田は先ほど兵藤が引いてテーブルに置いたクジを見つめ、確信する。兵藤の言う強運……この勝負に勝つ秘策を……!
兵藤が引いた外れクジ……それには薄っすらとだが、折り目がついている。
実は兵藤は最初に当たりクジをカイジと一緒に入れた際、手を抜く間際に箱の中でクジを折っていたのだ。
そうするだけで簡単かつ確実な目印がつけられる。他のクジがまっさらである以上、たった一つだけ違うクジが紛れているのだ。
それが当たりであると判断するのは容易い……!
団子状態にするのは駄目だが、折り目がついていることに関しては兵藤は何も言っていない。盲点であった。

では、何故兵藤は当たりを引けなかったのか。理由は簡単。
先ほど森田はクジを選んでいる最中、外れクジを6枚ほど中で折っていたのだ。
こうすることで兵藤が選ぶべきクジのダミーが出来上がり、当然折り目の目印を頼りにしていた兵藤はそれを引く可能性も出てくることになる。
事実、兵藤がそのダミーのクジを引いてくれたことで森田は相手の策を看破することができた。

だが、本当に賭けであった。森田の考えが当たっていなければ、兵藤は無視して当たりクジを引いていたし、
それでも当たりクジをピンポイントで引いてしまえば何もかも破綻……。
しかし、これで森田もその折り目がついているクジを引くことにより当たりを引ける可能性が出てきた。
……もっとも、自分で作り上げたダミーを引いてしまうことにもなるのだが。

森田(しかし、この土壇場でそんな策を打ってきやがるとは……)

このティッシュ箱クジ引きは即席で考案されたゲーム。
それを瞬間的な機転で自分が勝つためのロジックを自力で組み立て、仕掛けてきたのだ。
それは誰にでもできることではない。事実、森田でもすぐにはできなかった。
それどころか、そんなことをせずとも本来は兵藤は難なく勝てていたはずなのだ。

森田(勝てる気がしねえ……!)

平井銀二と同じく、こんな悪魔じみた機転で策を仕掛けてくる男を、自分たちが倒せるはずがない。



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