過去ログ - 向井拓海「The Passion――判定は許さない」
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2014/10/06(月) 20:58:07.12 ID:hGctJzQM0
「独りでさえずれ。アタシはもう上がらせてもらうぜ」
「くだんの会長はどちらに?」
「……」
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2014/10/06(月) 20:59:19.49 ID:hGctJzQM0
◆
「謀ったな、謀ったな、あの女狐め。
アタシの事を謀りやがったな」
以下略
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2014/10/06(月) 21:00:33.87 ID:hGctJzQM0
花屋の娘で、マブイねーちゃんだ。
あの娘がアイドルと成った姿を想像しろ。
アイドルってのは誰もが羨み、嫉み、妬み、救いを求め狂おしく心惹かれるあこがれの存在だ。
以下略
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2014/10/06(月) 21:01:15.53 ID:hGctJzQM0
「チクショウ、チキショー!」
ただ吠える。
向井拓海の馬鹿さ加減に嫌気がさして。
以下略
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2014/10/06(月) 21:02:24.12 ID:hGctJzQM0
「願いを叶える事が仕事か……。
そうとも仕事は大切だ、恨むのは筋違い。理屈ではそうなる」
夢や理想なんてもんは、人の胸に熱く輝いているからこそ尊いんだ。
それこそが人々を導く良き力となるはずだ。
以下略
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2014/10/06(月) 21:03:14.37 ID:hGctJzQM0
「おねーしゃん、大丈夫? 血出てるよ」
やはりくるみはやさしい娘だ。
突然狂ったかのように喚き散らすアタシに対しても、心配を忘れない。
いや、忘れるとか忘れないって話じゃねぇな。
以下略
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2014/10/06(月) 21:05:37.44 ID:hGctJzQM0
激情に任せ握りつけたメダルは、アタシの左掌を貫いた。
メダルが体内に戻る事はなく、引き抜けばさらなる出血を招くだろう。
だが、痛みは恐れるものじゃない。それは肉体の正常な反応に過ぎない。
くるみのサラシを緩めきつく押し当てる。吹き出す血がくるみの背と雑誌を赤く染めあげる。
以下略
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2014/10/06(月) 21:06:39.36 ID:hGctJzQM0
すでにメダルは失われ、人と人との縁は繋がれた。
間も無くこの世には誰もが望んだ長い黒髪のアイドルが生れ落ちるだろう。
ウンエイの予言に従えば、その為には生贄が必要だ。
全てを失うのは日曜日。天気は晴れ。朝の10時。
以下略
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2014/10/06(月) 21:07:41.30 ID:hGctJzQM0
「くるみ……やっぱり喧嘩は嫌だよう」
アタシの話にくるみは悲しんだ。
「アタシも嫌だ。
以下略
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2014/10/06(月) 21:09:13.56 ID:hGctJzQM0
「おねーしゃん、くるみはね……お馬鹿で……きっと長生きできないけれど……。
何も……持っていない事はないよ。お歌は楽しいもん……。
ままの作る豆乳のケーキは……毎日美味しいもん」
歩きながらくるみは泣いた。
以下略
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