過去ログ - 向井拓海「The Passion――判定は許さない」
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2014/10/06(月) 21:27:03.48 ID:hGctJzQM0
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親父の事はあまり話せない。話したくないってのが半分、後はまあ知らない事だからな。
ああ大丈夫、それでも話は続けるさ。これは望むと望まざるとにかかわらず、話さなければいけない事だからな。
なぜ話をするのか? そうだな……それは待つ事がアタシの仕事だからだ。そこには責任がある。
以下略
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2014/10/06(月) 21:27:51.55 ID:hGctJzQM0
家ん中、仕事の無い日の親父は碁打ちだった。
だから碁を知れば親父の事が少しは理解できるかもしれねぇ。
碁石には3つの種類がある。
以下略
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2014/10/06(月) 21:29:18.96 ID:hGctJzQM0
「結末は知ってるよ。
でもアンタの話なら、あたしは何時だって聞いてきた。だからさ今回も話を聞かせてよ」
まずは隅へ打つ、そいつが定石だ。
盤面のど真ん中へ足を止めて殴り合いを始めちゃあいけない。
以下略
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2014/10/06(月) 21:31:16.95 ID:hGctJzQM0
長かった。ここまで来るのにだいぶ飛び石をしちまった。
だけどようやくアタシも最後の話が出来そうだ。
「結末は知ってるよ。
だからどこから話しても構わないんだよ。どうせ同じ事なんだから」
以下略
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2014/10/06(月) 21:32:37.93 ID:hGctJzQM0
◆
「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ」
祭りの熱気は治まる事を知らず、アタシらの馬鹿騒ぎはうねりを増す。
以下略
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2014/10/06(月) 21:33:29.52 ID:hGctJzQM0
腕時計を外し、十字路へと投げ捨てる。見なくても分かる、時刻は朝の10時。
「サイは投げられた、人生最高の10分間にしよう」
普段はバイクで通り過ぎるだけの道だが、自分の足で歩くと様々なものが目に飛び込んでくる。
以下略
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2014/10/06(月) 21:34:44.38 ID:hGctJzQM0
これでいい、まずは一つ。おっさんの縁は繋がれた。
次はまあ、御遠慮願いたいもんだが……贅沢は言えねえわな。気合で耐えっか。
「おーっと足が滑ったぁ!」
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2014/10/06(月) 21:35:39.89 ID:hGctJzQM0
痛い、痛い、痛い、呼吸が浅すぎる。
「おうおうおうおう、でかいケツしてんなねえちゃんよっ。
逆さになっても、何てしつけ良い子良い尻してんな!」
以下略
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2014/10/06(月) 21:36:20.17 ID:hGctJzQM0
「おじょーちゃん、あんよが上手ってかぁ。ウシャシャシャシャ」
こいつは御機嫌だ、楽しすぎて狂っていやがる。
おおかた景気づけに混ぜもんの多い煙草を使って、まんまイカレちまったんだろう。
以下略
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2014/10/06(月) 21:37:07.13 ID:hGctJzQM0
「はいはい皆様ご注目〜、それでは止めと逝きましょか。
チャ〜シュ〜メェ〜ンっとくっら」
耳を澄ませば聞こえたのはか細い悲鳴。
観光客の誰かが惨劇に気付いて目を背けたんだろう。
以下略
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