過去ログ - 向井拓海「The Passion――判定は許さない」
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35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:27:08.47 ID:hGctJzQM0
 アタシの人生は待つ事から始まった。アタシは何時も小学校が終わると真直ぐ家へ戻って、親父の帰りを待っていた。
付き合いの悪い人間だって事で、大抵の奴からは白い目で見られていたっけな。知ってるだろうけどよ。

 だけどアタシはダチの少ない自分を孤独だと感じた事はない。
アタシにとっての孤独とは所属する場所が無いって事だ。あの頃アタシの居場所は親父のそばだった。

 親父は残業を嫌い仕事を定時上がりで家へ持ち帰っていた。アタシはそんな親父のそばでじっと黙って座っていたよ。
とは言え仕事量なんてのは日によってまちまちだ。

 親父がアタシへ目もくれず碁打ちに熱中し、お袋が晩飯の声を掛けるまで何も話さず互いにだんまりだなんてのはよくある話だったよ。
かと思えば親父からは体がいくつあっても足りないくらいの雑用を押し付けられる、なんて事もざらだった。

 今にして思えばオヤジにべったりだったアタシを心配して、
不器用ながらも親父なりに父離れをさせようとあれこれ工夫していたのかもしれねぇな。
……良くわかんねぇけどよ。こんな時は自分のおつむの弱さが心底嫌になる。




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