過去ログ - 向井拓海「The Passion――判定は許さない」
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38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:29:05.37 ID:hGctJzQM0
 良くわかんねぇが親父の判断はきっと正しいのだろうさ。それはおそらくアタシが知るべき事じゃなかったのかもしれない。
かもしれないって喉に小骨が刺さったような仮定を使うのは、アタシが親父の事を良く知らないからだ。
正しくは知る事を止めたからだな。親父はアタシを自分から遠ざけようとしていた、だからアタシはそれへ従う事を決めたのさ。


以下略



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:29:57.96 ID:hGctJzQM0


「ふざけるなぁ! アタシが地獄へなんぞ落ちる意味がどこにある。
 物乞いのおっさんは罪人なんだろ? だったら落ちるのはアイツで良いじゃねぇか」

以下略



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:30:51.37 ID:hGctJzQM0
「貴女の死を弔う為、彼は大通りへと花を供えるわ。
 雨の日も風の日も彼は毎日花を供えるの。そしてそれは49日間続く」

 柳が口を開く。虚ろな声が妙に印象的だった。

以下略



41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:31:43.74 ID:hGctJzQM0
「ちくしょう、ちくしょう」

 縁を繋ぐってのはそんな事かよ。
理屈では分かる、だけど感情は追いつかない。ガキみてぇにアタシは泣き続ける。
何で泣いているのか、その意味すらも分からなかった。
以下略



42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:32:23.63 ID:hGctJzQM0
 意味のある話をするんだ、耳を傾け音を聞け。
アタシの心臓はまだ力強く動いている。そうともさ鍛え上げたアタシの体はアタシをまだ裏切っちゃいない。
柳の言葉を思い出せ。【上に行けば死が確定する】だ、つまり今はまだ不定の状態。

――――
以下略



43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:33:00.97 ID:hGctJzQM0
 言葉は力だ。高らかに宣言しろ。
そいつは萎えたアタシの心を奮い立たせてくれる。

「確かに書類にはそうあるわね」

以下略



44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:33:40.08 ID:hGctJzQM0
 あー、気になるのはそっちかよ。食いもんじゃねぇっての。
アンパンってのはシンナー……これじゃまずいな。なんつったっけ、そう有機溶媒だよ。
トルエンだとかなんとか、横文字は思い出すのに時間がかかるぜ。とにかくやべえもんなんだ。

 ……なあ、この話何度目だ?
以下略



45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:34:24.65 ID:hGctJzQM0
「そうね。愛情と思いやり、なによりもやさしさを望むのであれば絶望する事かしら」

「諦める事何ざできねぇよ! アタシはまだ何も成し遂げちゃいねぇ」

「絶望は良いのものよ。真実を見せてくれるから」
以下略



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:35:11.11 ID:hGctJzQM0
「アタシには仕事がある、やらなきゃならねぇ仕事が。
 ここで死んだらまたアタシは信頼を裏切る事になっちまう。だからせめて仕事だけは全うさせてくれ」

「確かに役目を果たす事は大切。誰にでも機会は与えられるべきよね」

以下略



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:35:58.56 ID:hGctJzQM0
「私達は願いをかなえる事が仕事。
 貴女は好きなだけ足掻くとよいわ。
 どれだけ足掻こうとその過程にはなんの意味もないから」

 お仕事モードか。相変わらずアタシの事を虫けらか何かと同じ様に扱っていやがる。不愉快な話だぜ。
以下略



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:36:44.63 ID:hGctJzQM0
 書類へ書かれているのは日本語、ならアタシにも読めるわな。
この場にいるのは誰も彼もが犬ばかりだ。犬らしく振舞い嗅ぎつけろ、アタシはまだ手札がそろっちゃいない。
恩を履き違えるのは互いにとって不幸な話。喧嘩をやるなら徹底的に―――泥をかぶせてきたのはウンエイだ。

「貴女が生に満足したならば私達の名前を呼んで頂戴。その時に改めて判定が出来るから」
以下略



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