17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:37:00.38 ID:Ha53zHbko
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プロダクションのビル、その屋上へ続く扉はリウマチ持ちだ。
錆びついた蝶番がギシギシと鳴っていて、微かに歪んだ隙間から風が通るので、
扉から内側はとても寒い。
猫の額のような屋上のフェンスにもたれて、僕はタバコを吹かしていた。
ギギィーと、扉が例のうめき声を上げるのでそちらを見ると、あいさんが片手を上げて挨拶をした。
「やあ」
「はあ」
あいさんが傍へ来て、同じくフェンスにもたれても、ピースの火は消さない。
この頃は、あいさんの一緒の時でも遠慮せず吸っている。
「バカと煙は高いところが好きらしいが」
「煙と高いところが好きなので、僕は筋金入りのバカなんでしょう」
そう言うと、あいさんはくすりと笑った。
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