29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:56:56.30 ID:Ha53zHbko
土手を歩いているうちに、早送りの太陽が地平の裏へ転げて見えなくなった。
空はまぶたを閉じて、暴力的な赤を失い、夜へと翻った。
僕はこの夜にあいさんが取り残されているのが怖かった。
冷たい空気が指先を濡らすので、僕は高架下へ戻ることにした。
徒歩が急ぎ足に、小走りから全力疾走へ。踵が鳴る。
あの弱々しい音が聞こえてきた。
土手の途中で立ち止まると、サックスの音が止んだ。
代わりに、僕の息切れがざらざらと頭に響いた。
土手の下、あいさんはアルトサックスを手に、僕を見ていた。
のっぽの外灯が僕らを右から照らす。
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