過去ログ - 阿良々木暦「しょうこトータス」
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14: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/10/08(水) 18:32:23.07 ID:B+mP747VO
「おはようございます」

「あら、おはようございますプロデューサーさん。スタドリいかがですか?」

「ええ、いただきます」

元気のいい挨拶と共に出社です。
疲れたサラリーマンに溢れる現代社会、社会人たるもの、元気が一番ですよね。

迎えてくれたのは、大きな三つ編みを一本結わえた千川さんと、数人のアイドルたち。

千川さんから栄養ドリンクをいただきました。
美人な上に気前がいいですねえ、千川さんは。

「おはようございます、プロデューサー」

「やあ、今日もおしとやかで美人ですね、向井さん」

「あ、おっはよー扇!」

「おはよう、相変わらず元気だなぁ佐城ちゃんは」

「うう……頭いたい……」

「おはようございます三船さん。また二日酔いですか?オールは結構ですが服くらい替えましょうよ」

ううん、阿良々木先輩はこんな女の子だらけの環境で働いているのですか。

これはもう戦場ヶ原先輩にチクらなければいけないじゃないですか。
ええ、是非とも。

ええと、そんな事よりも目的の子は……と。

いたいた、いましたよー。

机の下でキノコ栽培セットと一緒に膝を抱える少女です。
私の姿を認識するなり、目を見開いて警戒しているようでした。

いえ、警戒しているのは私に対してだけじゃなく、この状況そのものに対して、でしょうね。

「やあ。はじめまして、星輝子ちゃん」

「だ、誰……?」

「私は愚か者の阿良々木先輩の代理で、忍野扇というんだよ」

「プロデューサーの……」

「いきなりこんな事になって、びっくりしてるよね?」

ここは有り体に言うならば、鏡写しの世界。
明確には違いますけどね。

私は元々アイドルの皆さんを知らないので……いや、正確には知っていますが付き合いは深くない、の間違いですね。
なので驚きはしませんが、そのアイドルの一員、当事者である星ちゃんにとっては驚天動地の極みでしょう。

なんせ、周りの人間全員が全員、全くの別人格となっているのですから。

「お、おかしい……み、みんな変……」

「はっはー、そうだね。何かいいことでもあったのかな?」

彼女は元々あまり動じることも少なそうなマイペースな雰囲気を持っていますが、この状況じゃ仕方ないですよね。
これで平然としていたら人であることを疑ってもいいレベルでしょう。

「うーん、でもそれはちょっと間違えているね、星ちゃん」

「……?」

「私にしてはとても珍しいことだけど、いきなり結論から言おう。『おかしいのは君ひとりだ』。ある日突然周囲の様子が変わったからと言って、それをまず誰かのせいと思うのは愚か者のすることだよ。自分がおかしくなったから、自分の見る目が変わったからおかしく見える、という可能性も追求すべきだと私は思うな」

「な、なに……」

「『ここ』は間違いなく、君がいた世界だ。それだけは保証しよう」

やれやれ、なんで私がこんな役割を与えられなければいけないんですか。

怨みますよ、阿良々木先輩?

「星輝子ちゃん。君は亀に覆されたんだよ」



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