20: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/10/08(水) 18:45:32.07 ID:B+mP747VO
007
場面転換に入る前に、ちょっと説明をしましょう。
星ちゃんが行き遭った怪異は、述懐した通り要約すると裏面を表にする怪異です。
あの亀ですね。
あの亀をひっくり返すことで発動条件が満たされ、裏と表をひっくり返す訳です。
こちら側からしたら異世界である裏の世界を、無理やり表にひっくり返す、ということです。
例外として表裏のない星ちゃんや、表裏どころか裏しかない私は影響を受けません。
しかし、怪異といえどそう簡単に表や裏をひっくり返せる訳ではありません。
そんな、亀がひっくり返る度に逆になっていたら怪異も身が持ちませんよ。
ですが、例外があります。
阿良々木先輩です。
怪異もそう簡単には力の発動が出来ない。
けれど、人ひとりくらいなら何とかなる。
私という裏面がおらず、裏の世界の居住権を持たない阿良々木先輩は、亀がひっくり返る度に疑似的に『裏返り』を体験していた筈です。
でも『裏返り』の先にある世界は構築されないから、阿良々木先輩の行き場がない。
となると、阿良々木先輩ひとりが何度も疑似的な世界を行き来していた訳でして。
「な、な、なに、これ……」
「……はっはー」
そうするとどうなるかと言いますと、その疑似世界に阿良々木先輩が何人も弾き出されてしまう訳なんですよ。
星ちゃんも顔を引きつらせています。
そりゃそうでしょう。
優しい優しい私が、阿良々木先輩が『裏返り』で変な世界に落っこちちゃわないように、と作った結界を張った阿良々木先輩のアパートに。
阿良々木先輩が、わらわらと何人もいるんですから。
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