13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:43:35.34 ID:2ge1itV00
Omega「……掴みどころのない奴だな、とは思う」
酔っぱらいの言うことだ、と流してもよかったのだが、その顔が、その表情が。
何となくだが、真面目に答えてやろうか、という気にさせた。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:51:14.31 ID:2ge1itV00
Viper「掴みどころ、か。確かになぁ」
Omega「僚機でいると尚更な。時々によって、がらりと飛び方も変わりやがる。一緒に飛ぶと、苦労するぜ」
ある時は強さを求めるようであり、別の時は独自のプライドに基づいた飛び方で戦場を駆ける。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:58:34.28 ID:2ge1itV00
Omega「アイツ、やたらと戦況が読めやがる」
いや、読め『過ぎる』。戦局眼と一言で片づけるには、あまりに異質な立ち回り。
似たような戦場を幾度も経験してきたかのように。いや、時として既にその戦場を知っているかのようにすら。
その様は、まるで。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:04:55.87 ID:2ge1itV00
良くない、とかぶりを振る。アルコールが回っているのだ。
どうせ何らかのお鉢が自分に回ってくるに違いないから、と、努めてあまり飲まないようにしていたはずなのに。
それでも今日の作戦の疲労は余程だったらしい、酔いが思った以上に加速している。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:11:15.69 ID:2ge1itV00
Omega「無いな。無い」
Viper「おう、どーした?」
Omega「や、なんでもねぇよ」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:17:18.84 ID:2ge1itV00
Omega「まあ、なんにせよ」
ほぅ、と息を吐き出して、不格好な装飾を施されたエンブレムと正対する。
何より、この死神が、アイツをエースたらしめているのではない。逆だ。
アイツが、この死神を死神たらしめているのだ。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:23:28.02 ID:2ge1itV00
Omega「逸脱してらぁな。色々と」
Viper「……ふぅん」
それ以上こちらが続けないと判断したのか、暫くして、脚立の上で鼻を鳴る。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:26:48.50 ID:2ge1itV00
Omega「あぁん!?」
ため息交じりのその言葉に、反射的に険のある声が出る。が。
Viper「落ーちー着ーけ。別に貶めてるわけじゃねぇよ」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:30:10.93 ID:2ge1itV00
Viper「良く見てんな。安心したぜ」
ギラギラと輝く目はそのままに、彼はそういうと脚立からひょいと飛び降りる。
Viper「おっ……とと」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:36:27.39 ID:2ge1itV00
Viper「じゃ、後は任せた。俺じゃ、お前みたいにゃあ、行かないからな」
そう一言だけ残し、ゆっくりとエースが歩み去る。
何を、とまでは聞かなかった。
薄闇を切り裂くような紫電を目の端から滲ませて次のエースの機体に背を向ける奴に何か言うほど無粋ではない。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:42:34.28 ID:2ge1itV00
Viper「それ、描き直してやっといてくれや」
Omega「はぁ?」
Viper「俺ぁ、隠居するからな」
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