過去ログ - Viper「無限の資質」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:02:43.84 ID:2ge1itV00
金にがめつい我らが社長だ、我が社の所有財産に部外者の指の一本も触れさせまじ、と、当然セキュリティにも力を入れている。
それが反応したような感じでもないし、ならばコソ泥と言うこともあるまいが、と、念のために覗いてみれば、そこにはいささか社会性が欠けている方の傭兵であるらしい、今日の飲み会の主賓であったエースパイロット様が鉄のキャンバスに彼自身の独特の感性を塗りたくっていたという次第だ。


7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/10/09(木) 22:02:44.07 ID:hGfReE9T0
インフィニティか。期待。


8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:07:30.77 ID:2ge1itV00
Omega「それ、落としとけよ。いくらあのルーキーでも怒るぜ、それは」

Viper「怒りゃぁしねぇよ、アイツは。偉大なる先輩様の置き土産だぞ。きっと喜ぶって」

その言い分に思わず呆れのため息が漏れる。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:13:31.64 ID:2ge1itV00
まあ、確かにいささか気味は悪い。
髑髏が布をほっかむり、あまつさえ見ているこちらに突きつけるかのように、その白骨の拳で大鎌を握る死神。
ノーズアートの特性上、仕方がないのだろうが、少々デフォルメされたその顔は、口角を捻り上げてニタリと笑っているようにも見えて尚更不気味さを増長させている。

正直、今のように既に日が落ちた時間帯に、こんなだだっ広くて、かつ、音の乏しい格納庫内でまじまじと見たい絵では決してない。ない、が、だからと言って。


10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:20:58.01 ID:2ge1itV00
施されたのは、左側頭部にヨレヨレの、二つ重なった○。

そしてその下にお世辞にも丁寧とは言い難い、いや、端的に言ってしまおう。
いかにも酔っぱらいらしい汚い文字で『Liberation』と書き殴ってある。酷い出来だ。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:28:29.96 ID:2ge1itV00
もう一つおまけで、下手くそ、と言ってから、脚立の下の酒瓶の片付けにかかる。
あれだけの酩酊だ、あそこから降りた時にこれを踏んづけてスッ転ぶこともありえるだろう。
その光景は結構鮮明に想像できて、そうなったらそうなったでざまあみろとも思うが、そのまま見過ごすのもちょっと薄情だ。

Omega「一通り満足したら寝ろよな。不健康だし、今のアンタじゃ他の連中の機体にまで落書きしかねねぇ」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:36:01.54 ID:2ge1itV00
Omega「あん?」

その背中に、今までの間延びしたような声音から一転、酒の臭いを感じさせない鋭い一声がかかる。

Omega「何を、どう思えばいいんだよ」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:43:35.34 ID:2ge1itV00
Omega「……掴みどころのない奴だな、とは思う」

酔っぱらいの言うことだ、と流してもよかったのだが、その顔が、その表情が。
何となくだが、真面目に答えてやろうか、という気にさせた。

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:51:14.31 ID:2ge1itV00
Viper「掴みどころ、か。確かになぁ」

Omega「僚機でいると尚更な。時々によって、がらりと飛び方も変わりやがる。一緒に飛ぶと、苦労するぜ」

ある時は強さを求めるようであり、別の時は独自のプライドに基づいた飛び方で戦場を駆ける。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 22:58:34.28 ID:2ge1itV00
Omega「アイツ、やたらと戦況が読めやがる」

いや、読め『過ぎる』。戦局眼と一言で片づけるには、あまりに異質な立ち回り。
似たような戦場を幾度も経験してきたかのように。いや、時として既にその戦場を知っているかのようにすら。
その様は、まるで。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/09(木) 23:04:55.87 ID:2ge1itV00
良くない、とかぶりを振る。アルコールが回っているのだ。

どうせ何らかのお鉢が自分に回ってくるに違いないから、と、努めてあまり飲まないようにしていたはずなのに。
それでも今日の作戦の疲労は余程だったらしい、酔いが思った以上に加速している。

以下略



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