20:1[saga]
2014/10/10(金) 23:23:08.01 ID:M6pjPsFx0
「あぁぁもう、ほら落ち着いて!」
着させるのを手伝うと、先程までの悪戦苦闘はなんだったのか。
あっという間に腕は肩口を抜け、見事お洒落に成功した。
「おぉー、似合う似合う!!」
心の底からの賛美を謳うと、少女はどこか呆けたような顔で自らの胸元から下を見つめていた。
「……………………」
信じられない、といったような顔だった。
今目の前にある幸せを、そう認識する事を恐れているようにも見えた。
「すっごく可愛いよ、似合ってる!!」
わざと大きめの声を掛け、少女を現実に連れ戻す。
風船が割れたかのように一度だけ瞬きをすると、少女の体がわななき出した。
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