過去ログ - 響「行きつけのお店」
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8:1[saga]
2014/10/10(金) 23:12:23.17 ID:M6pjPsFx0

期待を裏切るようで悪いが、このままひた隠しにしても少女に申し訳無い。
紙袋から布や糸を取り出して、良く見えるように少女に突き出す。

「これ?」

期待に満ちた瞳はあっという間に失望を帯び、握り締めていた両手は力なく下ろされた。
予想はしていたが、そこまで意気消沈されると正直悲しみを覚えてしまう。
少女にはただの布と糸にしか見えないだろうが、これが色んな装飾物になるという事を教えなければならない。

「……これはね? 布と糸なんだけど、自分これで服を作ろうって思うんだ」

「ふく?」

「うん、そうだな〜……。 これから寒くなるし、セーターなんて良いんじゃないかな」

セーターの場合、買った布の使い道が無くなってしまうが、それはまた別の物に活用すれば良い。

「…………そんなんで作れるの?」

中々良い表情だ。 馬鹿にしたような顔で訝しげに質問してくる少女に、苦笑しながらも答える。
子どもというのは実に正直だ、毒気が抜かれるような感覚に陥る。


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