15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/12(日) 23:04:33.12 ID:VgB7duhgo
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「はい、どうぞ」
「すみません、何だか甘えてしまって」
「はは、遠慮しなくともいいですよ。付き合って頂いてるお礼です」
百貨店に場所を移して、今度は楓さんの私服を俺が選ばせてもらった。
一応、こういう時のマナーでもあるだろうし、何より俺の食事代よりは楓さんの服に使った方が遥かに有意義だろう。
若草色を基調にしたワンピースでくるりと回った楓さんは、何と言うか女神だった。
「何を見てたんですか?」
「靴を、少し」
「これですか」
ショーウィンドウに飾られていたのは、何とも分類に困る靴だった。
サンダルと言うべきか、ヒールと呼ぶべきか、はたまたブーツか。どことなく剣闘士を連想するデザインだ。
「気に入ったんなら、プレゼントしますよ」
「あ、いえ、その。ちょっと高いので」
「楓さんには日頃お世話になって……ん?」
値札を確認してみたが、特に高いと感じるような値段では無い。
「そこまで高くないと思いますけど」
「あの、えっと。他のお店も回ってからにしませんか」
「それもそうですね」
何故か少し焦ったような様子で、楓さんが俺の背を押す。
遠慮したのだろうか、何とも慎み深い人だ。…………お酒以外には、だが。
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