過去ログ - 高垣楓「時には洒落た話を」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/13(月) 14:05:33.29 ID:b1cDtj/4o

楓さんを椅子に座らせて、靴を履くのを手伝った。
すらりと伸びた楓さんの脚に触れる度、何だかひどく緊張したが。
ただでさえ履きにくいヒールがアクリルで出来ているともあって、傷付けないよう結構な時間が掛かってしまった。

 「キツくありませんか?」

 「ふふ。ぴったりですよ」

脚をブラブラと振りながら、楓さんが楽しそうに笑う。
そう、この表情だ。
これが見れたなら、ここ数ヶ月の頑張りも報われたというものだ。
振り返れば、それぞれの担当からガラスの靴を受け取って、他のアイドル達も嬉しそうに笑っている。

 「やっぱり、女の子達の夢ですから。この光景が見たかったんですよ」

ドレスを着て、ガラスの靴を履いて。
身に纏ったそれらに負けないぐらい、彼女たちの表情は煌めいている。
渋谷さんを除いて。

 「……ん?」

皆と同じようにシンデレラの衣装を身に着けた渋谷さんは、何だか拗ねているような様子だった。
苦笑する神谷さんと北条さんに囲まれて、プリムスの担当Pが宥めすかしているように見える。
眺めている俺に気付いたのか、渋谷さんがこちらに歩み寄ってきた。

 「…………」

 「えっと、渋谷さん。どうしたのかな」

 「……あなたが悪くないのは分かってる。分かってるけど」

ぽこん。

胸を手で叩かれた。全然痛くなかった。


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