過去ログ - 高垣楓「時には洒落た話を」
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26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/13(月) 17:05:44.99 ID:b1cDtj/4o

 「楓さんピンでのカットも盛り込むよう、しっかり通しておきました」

 「やり手ですね、プロデューサー」

 「本物のシンデレラに近付く為の第一歩ですから。今回のPVは」

女の子の夢というのも重要だが、打算も忘れてはいけない。
勢いに乗っている今、積極的にプッシュしない手は無いだろう。

 「俺達もそろそろ帰りましょうか」

 「そうですね」

楓さんが立ち上がりかけて、背後の斜面を一瞬振り返る。
それからぺたりと腰を下ろして、俺に向かって手を伸ばした。

 「疲れちゃって、立てません」

 「今、立ちかけませんでした?」

 「気のせいです」

気のせいか。
緩やかだが坂になっているし、泉に落ちられても敵わない。
……楓さんの場合、落ちる側より落ちた物を拾い上げる側か。


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