過去ログ - 劇場版アイマスで水瀬家に宿泊した志保のお話 抄
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 11:42:30.79 ID:NHNSY0P+o

 コンコン。

 足音もなにもなしに部屋の扉がノックされ、体をびくつかせてしまった。
 寝る時間には少々早いとは言え、人様の家で部屋をノックされるとは思わなかったから来訪者を警戒して身体が固まってしまう。決して驚きとか恐怖とかが私の心を占めていたからではない。

「私よ。まだ寝てなかったら、ちょっと話、しない?」

「水瀬先輩?」

 低い声だと感じた。普段テレビやラジオで聴かれる可愛さを詰め込んだ声とは違う、落ち着いたもの。
 合宿初日、水瀬先輩の中にある冷静さを目の当たりにしたときは、中身だけ別人に入れ替わったのかと思ってしまったほど。

「……少しだけ待ってもらえますか。今開けます」

 お説教の続きだろうか。先輩を迎えるにあたって居住まいを正しながら、ぼんやりと来訪理由を想像する。

 数日前、可奈に関する騒動で天海先輩に対して声をあらげてしまい、それを水瀬先輩に咎められた。
 そのときは後に仕事も控えていたから深く追求はされなかったけれど今なら十分に時間がある。
 正直一番顔を合わせづらい人物であったから、寝たふりをしてコンタクトを回避することもできた。
 それでもドアを開けるのに応じたのは自分の中でけじめをつけておきたいという理由もあった。

「こんばんは。中へどうぞ……というのもおかしいでしょうか」

 先輩を招き入れてから、その当人が家主であったことを思い出す。

「自分の部屋と思って使ってくれていいわよ。ウチの連中なんてホテルかなにかに泊まりに来たみたいにはしゃいじゃってるんだから」

 言いながら水瀬先輩は書き物机に添えてあったイスの背を入れ替え、ベッドの方へ膝の先を向けるように腰を下ろした。

「まあ、座って」

 ベッドに腰掛けるべきか、床に正座すべきか。自分では判断できなくて先輩の表情を伺うと、彼女はじれったそうに片眉を上げて人差し指をベッドへ示した。


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