8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:25:48.05 ID:Sc7juh7n0
 「ちなつちゃん、京子のことが好きなのかな」 
  
  口から出た疑問に、私自身が驚かされた。 
  
  私はずっと、京子のことが好きだった。小さい頃はずっと私の影に隠れていた、女の子。段々と元気になって、皆を引っ張っていく存在になった、女の子。いつも私の隣にいてくれた、女の子。そんな彼女のことが好きだった。はずなのに。 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:27:35.92 ID:Sc7juh7n0
  すーっと、涙が頬を伝っていた。この涙の意味は、何なのだろうか。京子に対する罪悪感なのか、ちなつちゃんを盗られてしまった悲しみなのか。 
  
  盗られる? 
  
  否、盗られるだなんて烏滸がましい。私にそんなことを言う資格はない。私は彼女の気持ちに気づきながらも、ずっと何も言わないでいたのだから。応えるどころか、拒絶すらしてあげなかった。そんな私に、今更自分の気持に気づいたからといって、嘆く権利なんて、ない。 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/14(火) 00:27:49.51 ID:J+MSbS26O
 流石ゆるゆり主人公、いいかませっぷりだな 
 チーナハーレム期待 
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/14(火) 00:29:37.75 ID:RR7nQY3KO
 >>10 
 アッカリーン()は空気だろ 
 ちなつハーレム期待には同意だが 
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:31:01.51 ID:Sc7juh7n0
 「あ、メールだ」 
  
  ケータイの液晶画面を見て、差出人の名前を確認します。相手は、あかりが昔からよく知る人でした。 
  
  船見結衣ちゃん。あかりの幼馴染で、歳がひとつ上の先輩で、同じごらく部の仲間で、そしてあかりの大切なお友達。 
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:33:54.30 ID:Sc7juh7n0
 「ただいまー」 
  
  ちょうど、お姉ちゃんが帰ってきたみたいです。今日は、お姉ちゃんとデートです。あかりの見たかった映画のチケットをお姉ちゃんが用意してくれて、お夕飯も話題のお店に連れて行ってくれるみたい。 
  
  お姉ちゃん、本当に優しくてあかり大好き。昔からあかりとお姉ちゃんは仲が良かったけれど、中学生になってからそういう機会も減っちゃったんだよね。だから久しぶりに二人きりのデート、楽しみだなあ。 
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:35:49.26 ID:Sc7juh7n0
  翌日学校で、ちなつちゃんがこう切り出しました。 
  
 「あのね、あかりちゃん。私、謝らないといけないことがあるの」 
  
  その時のちなつちゃんの顔は、泣き出しそうなほどに追い詰められているように見えました。 
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:36:39.70 ID:Sc7juh7n0
  あかりは、ごらく部が大好き。ごらく部の皆が、大好き。 
  
  だから、ちなつちゃんと結衣ちゃんのことを応援してきたし、ちなつちゃんと京子ちゃんが結ばれることも祝福したい、失恋してしまった結衣ちゃんのことも元気づけてあげたい。 
  
  そのために、あかりには何が出来るんだろう。あと一年しか、結衣ちゃんと京子ちゃんの二人と一緒の学校に居られない。あと一年、あかりたちはどんなごらく部で居られるだろう。 
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:40:46.46 ID:Sc7juh7n0
  正直に言って、吉川さんと歳納先輩が付き合うことになった、というのは甚だ意外でなりませんでした。 
  
 「わたくしはてっきり船見先輩のことが好きなのかと……」 
  
  誰に聞かせるでもなく、ただ、思ったことが口に出てしまいました。 
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:42:28.53 ID:Sc7juh7n0
 「櫻子の癖に、そういうところはよく見てますのね」 
  
  自分が気付いていなかったのに、お馬鹿な幼馴染が気付いていたのが悔しくて、そんなことを言ってしまいました。 
  
  だってそうでしょう。 
40Res/32.28 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。